プライバシー保護
第2回公認心理師試験
問21マルトリートメントについて、正しいものを1つ選べ。
①マルトリートメントは認知発達に影響しない。
②貧困はマルトリートメントのリスク要因にならない。
③マルトリートメントを受けた子どもは共感性が高い。
④マルトリートメントを受けた子どもは警戒心が乏しい。
⑤マルトリートメントを受けることは、将来身体的健康を損なうリスクとなる。
正解は⑤です。マルトリートメントを受けると、将来、心疾患だけでなく、循環器疾患や肺がんなどになるリスクが高くなるとされています。
北海道試験の問19
マルトリートメント(不適切な養育)について、最も適切なものを1つ選べ。
① 貧困との関連は乏しい。
② 初めに養育者に反省を促す。
③ 子どもの脳の器質的問題は発生しない。
④ 養育者自身の自尊感情とは関係がない。
⑤ 多角的な視点でアセスメントする必要がある。
正解は⑤になっています。この多角的というところが重要です。
このマルトリートメントは、ブループリントで言えば、11、社会及び集団に関する心理学という大項目、中項目は(3)家族、集団及び文化が個人に及ぼす影響のところの小項目に「不適切な養育(虐待、ネグレクト)」というトピックがあります。高い確率で出ていますので、第3回試験も何らかの形で出るのではないかと思われます。しかし、今のところ虐待に比べて、それほど一般にイメージのわきやすい言葉ではないかもしれません。
これについては以前、当塾での研究計画作成の際に、かなり頑張って調べた人がいたので私としても印象に残っています。不適切な養育については、虐待をする親の言い訳として、「虐待ではなくしつけ」というものが当然のように言われますし、ある部分では、「(漠然と)そのくらいは適切」だと考えている人も少なくありません。簡単に言えば、虐待はかなりピンポイントで言わねばならないかもしれませんが、マルトリートメントは、ストライクゾーンを広げた概念と言えると思います。暴力だけではなく、暴言なども含まれますし、一つだけ取れば強い言葉でなくとも長期にわたればやはりマルトリートメントと言えます。「ちょっとくらい」というのもゾーンに入ります。そう考えると、それに当てはまるケースは増えます。それによって、日常的に自己反省ができるという点も重要です。まだ、日本国内ではまだあまり浸透していないと思います。まだまだ「我々の子どもの頃は」が一般的なのかもしれません。虐待死はあまりにも悲惨ですので、メディアも取り上げますが、マルトリートメントとなると、今後もメディアが取り上げることは少ないでしょう。専門家にとっては必要な概念です。ポイントは、虐待に当たるストライクゾーンが広くなっているということです。
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