成人のパーソナリティ及び行動の障害

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師試験重要キーワード

公認心理師試験ブループリント、22 精神疾患とその治療の小項目に「成人のパーソナリティ及び行動の障害」があります。パーソナリティに関する問題は、何か一つくらい出そうと思わされます。第2回試験では、問11

秩序や完全さにとらわれて、柔軟性を欠き、効率性が犠牲にされるという症状を特徴するパーソナリティ障害として、最も適切なものを1つ選べ。
①境界性パーソナリティ障害
②強迫性パーソナリティ障害
③猜疑性パーソナリティ障害
④スキゾイドパーソナリティ障害
⑤統合失調型パーソナリティ障害

と選択肢のすべてにパーソナリティ障害が出ました。この問題に対する解答は②で正答率も90%を超えましたので比較的簡単だったと思いますが、他の選択肢が解答だった場合の問題を想定すると、格段に正答率を下げることが可能ですし、かつここからたくさんの問題を作ることが可能です。ということでパーソナリティ障害について学んでおく必要がありそうです。精神医学的には、「著しく偏った認知、行動、感情のため生活に支障を来した状態」と定義されます。パーソナリティ障害はDSM-5では10種あり、さらに3つのカテゴリに分けます。しかし、あまり杓子定規に捉えない方がいいと思われます。

A群
odd type:風変わりで奇異で閉じこもりがちな性質を持つ。
妄想性パーソナリティ障害(猜疑性) Paranoid personality disorder
世の中は危険で信用できないとして、陰謀などを警戒しており、不信と疑い深さを示す。
スキゾイドパーソナリティ障害 Schizoid personality disorder
社会的関係からの離脱、友人を持たず1人で暮らすことを望む。
統合失調型パーソナリティ障害 Schizotypal personality disorder
幻覚や妄想といった統合失調症と診断されるような症状はなく、病的ではない程度の風変わりな行動や思考を伴っている。
B群
dramatic type:感情の混乱が激しく演技的で情緒的。ストレスに対して脆弱で、他人を巻き込むことが多い。
反社会性パーソナリティ障害 Antisocial personality disorder
他人の権利を無視し、侵害する。利己的で操作的。
境界性パーソナリティ障害 Borderline personality disorder
情緒や感情の現れ方が適切でなかったり、劇的・過度であるといった特徴を有している。かつては境界例やボーダーラインと呼ばれ、精神病と神経症の中間状態を指す概念であった。基本的なパーソナリティ傾向として、情緒が不安定で、突然怒りを爆発させたり、激しい絶望感に苛まれたり、他人に見捨てられることに対して異常な恐れを抱いていることが挙げられる。また、自分を傷つける衝動性を示し、自殺企図や自傷行為を繰り返すことも多い。
演技性パーソナリティ障害 Histrionic personality disorder
情緒や感情の現れ方が適切でなかったり、劇的・過度であるといった特徴を有している。基本的なパーソナリティ傾向として、芝居がかった態度や過度な情緒表現で、他人の注意を引こうとすることが挙げられる。他者との交流には不適切な性的誘惑や挑発行動の形を取り、また、他人や環境の影響を受けやすいことも挙げられる。
自己愛性パーソナリティ障害 Narcissistic personality disorder
情緒や感情の現れ方が適切でなかったり、劇的・過度であるといった特徴を有している。基本的なパーソナリティ傾向として、自分の存在が偉大であり、他人よりも優れていると思い込んでいる。幼児的な万能感や誇大な自己感を持つ反面、他人への共感が欠如している。
C群:anxious type
不安や恐怖心が強い性質を持つ。周りの評価が気になりそれがストレスとなる。
回避性パーソナリティ障害 Avoidant personality disorder
対人関係の取り方において自信のなさ、不安が目立つといった特徴を有している。基本的なパーソナリティ傾向として、他人から拒否されたり批判されることを極度に恐れ、そのような可能性に対して過敏に反応し、常に緊張や不安が存在している。このために対人場面を極力回避しようとし、不登校や出社拒否といった社会的・職業的活動からも逸脱してしまうこともある。
依存性パーソナリティ障害 Dependent personality disorder
対人関係の取り方において自信のなさ、不安が目立つといった特徴を有している。基本的なパーソナリティ傾向としては、他人に世話をされたいという過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動をとる。日常生活の簡単な決定にも他人に必要以上に助言を求める。自分の意思で計画を立てたり、実行することが出来ず、他人からの助言、見捨てられ不安を感じる。
強迫性パーソナリティ障害 Obsessive-compulsive personality disorder
対人関係の取り方において自信のなさ、不安が目立つといった特徴を有している。基本的なパーソナリティ傾向としては、秩序意識や几帳面さ、完全主義にとらわれ、日常生活における柔軟性や開放性が欠如している状態である。しかし、強迫性障害に見られるような強迫観念や強迫行為は見られない。

基本的な情報のようですが、専門外の人からすると覚えること満載です。



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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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