カジノ法が通ったそうです
最近、様々な大学を訪問させてもらっています。そこで私自身が気になったことでもありますし、よく質問を受けたのが、「Bルート(区分B)」に関することです。どうも高校生の方々は、公認心理師に関心を持った場合、「学部(この方々から見ると「大学」)を出れば資格が取れる」とお考えのようですし、学校の先生もそんな指導をしておられると、複数の方から伺いました。臨床心理士との違いをここで理解している人が多いことに少し驚きました。要するに臨床心理士は大学院まで行かないと資格が取れず、公認心理師は、大学だけで取れる資格と映っているようです。
これは少々不適切な理解ですので、私たちとしても、より正確な情報を発信していかねばならないと思っています。
公認心理師の受験資格は、現在はAからGまでのルートがありますが、これは特例措置で、法施行後5年に限ります。すなわち、2022年までです。それ以降はABCルートになります。Cは海外の大学を出ている人が対象ですので、実質、AかBのルートになります。基本はAルートの方で、大学院修了のルートだと言って良いと思います。Bルートはメインルートにはなり得ないのではないかと思っています。
Bルートは、公認心理師法第7条2
学校教育法に基づく大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの。
と定められています。また以前にも述べましたが、「公認心理師法第7条第2号に規定する施設の文部科学大臣及び 厚生労働大臣による認定等について」という文書は重要です。
その第1「公認心理師法第7条第2号に規定する施設の認定についての基本的な考え方」があります。
「法第7条第2号に規定する文部科学省令・厚生労働省令で定める施設の認定は、当該施設が作成した実務経験の実施に関する計画(以下「プログラム」という。)のうち、第3に掲げる基準を満たすものを文部科学大臣及び厚生労働大臣が認定することにより行うものとし、その認定に係る手続等は、以下に示すとおりとする。」
つまり、Bルートは学部で指定された単位を取って、卒業し、その後、文科省、厚労省が定めた期間、つまり2年以上、実質3年以上公認心理師としての行為を行う業務に従事しなければなりません。さらに、その施設は、今のところ5施設しかなく、これから施設は増えることは予測されるにせよ、文科省、厚労省の認定を受けなければならないということです。
その申請手続きは、煩雑であり、わざわざこれを乗り越えて、名乗りをあげる施設がどれくらい生じるかは全く未知数です。
また実務者のハードルもかなり高いと言わざるを得ません。
実務従事者が行う心理に関する支援を要する個人又は集団を対象とした心理に関する支援の実施時間(その前後に指導者から指導を受ける時間も含む。)及び回数については、720時間以上かつ240回以上を実施するものであり、その実施に関し必要な体制が確保されていること。
なお、720時間のうち270時間以内については、心理学等に関する専門的な知識の修得を目的として、施行規則第2条に規定する大学院の科目に相当する講義の受講等により代替することとしても差し支えない。
6 実務従事者は、心理に関する支援を要する個人又は集団を対象とした心理に関する支援のケースを3例以上担当するとともに、多職種と連携した業務を経験すること。
7 保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働の各分野のうち、実務従事者が従事するプログラムを行う施設の分野以外の二つ以上の分野の施設において、合計60時間以上の見学や研修を行うことが望ましいこと。
8 プログラムの期間については、心理に関する支援を要する個人又は集団を対象とした心理に関する支援等の実施時間及び回数を踏まえると、標準的には3年間でプログラムを終えることが想定されること。
9 公認心理師となるために必要な到達目標の達成状況を評価できる体制が確保されていること。
まずは施設がどのように増えてくるかを注視しておく必要があります。しかし、可能な限り、大学院に進む方が、順調かつ、最短で公認心理師試験を受験できるのは間違いないと思います。
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