公認心理師試験難問集 スティグマ

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師試験難問集

公認心理師試験難問集です。
北海道試験
問41 精神障害に対するスティグマ(差別、偏見)について、正しいものを1つ選べ。
という問題が出ました。これはかなりの難問だと思います。私はスティグマという言葉しか知りませんでした。選択肢は以下の通り。正解は④になっています。
① セルフスティグマを軽減する方法はない。
② 社会的スティグマは認知的側面と感情的側面の2つから構成される。
③ 社会的スティグマの強さと当事者の自尊感情との間には正の相関がある。
④対象への反応時間を測定することにより潜在的なスティグマが評価できる。

①は一目で違うと思いました。当塾の解説に沿うと、
「B. G. LinkとJ. C. Phelan(2001)によると、スティグマは、①数多くある個人の特徴の中からひとつだけに着目したラベル付けを行うこと、②ラベルと否定的な評価を結びつけること、③ラベル付けされた集団を、「自分たち」とは異なる集団として捉えること、④ラベル付けから発生する認知や感情を、実際の差別に結び付けること、という4つの要素を含む概念である」
とのことです。
セルフスティグマは、自分で持つスティグマのことですから、「方法がない」ということはあり得ません。認知行動療法は効果があるとされます。
②これは私には無理でした。社会的スティグマ(public stigma)とは、当事者に対して嫌悪感や恐怖感を持ち、関わりを避け、当事者を排除するという一連の過程を指す、ということです。
ここまではわかりますが、問題は認知的側面と感情的側面の「2つ」かどうかです。結論としては、認知的側面、感情的側面、行動的側面の3つから構成されているので違うということになります。
③これは負の相関だということはしっかり読めばわかるかもしれませんが、難しいです。
④これが正解ですが、まず顕在的スティグマと潜在的スティグマがあるという知識を有しているかどうかがポイントです。その上でこの場合潜在的スティグマの知識を要するということです。
当塾の解説では、「対象への反応時間を測定する潜在連合テストを用いることにより潜在的なスティグマを評価できる」とあります。
どこをとっても難問でした。


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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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