現任者講習#2
前回の続きです。
何度か述べてきたことでもあるのですが、9月15日の法律施行に伴い、どの大学もてんやわんやというイメージです。こういった新しいものが創設される時は、得てしてそういうものなのかもしれませんが、法律作成の際にもう少し色々問題をクリアしてからの方が良かったような気がします。私たちは、大学院受験と編入学受験専門塾ですので、その方面からしか、理解しませんが、公認心理師は、必ずしもそのルートだけではないのが、混乱の源のように思えてなりません。おそらく大学の先生方は、公認心理師を実質、大学院資格にしていくように実績を作っていきたいのだと思います。今のところ、京都光華女子大学のように、臨床心理士指定大学院という積み上げを大切にしようとお考えのところがほとんではないかと思われます。現段階までの私たちの調査では、臨床心理士の学科や専攻をなくすことを予定しているところはなく、検討の余地をにおわせる学校がわずかにあった程度です。そのくらい、臨床心理士を養成してこられた矜持を、どの学校からも感じることができます。私としては、この矜持を否定せず、良い方向で共存共栄できるような公認心理師養成システムができれば良いと願っています。
とは言え、いずれにしてもやってみないとわからないというのが本音です。まずは一歩踏み出して、来年出る公認心理師たちの動きをよく見て、それから決まっていくことがたくさんあると思います。それまでは焦らず、臨床心理士指定大学院を目指すのが妥当なのだと考えています。公認心理師を検討している今の3回生の方は、所属学部に限らず、心理学対応科目を精一杯取っておくのが第一手目になると思います。その上で、今の段階で公認心理師に対応すると宣言している大学院で、おそらく少人数のところに進学するのが妥当なのだろうと思われます。
京都光華女子大学は、現段階では、公認心理師を何人輩出できるかという観点では考えておらず、これまでやってきたように、いかにクライエントに資することができる臨床心理士としての人材を作るかということを最も大切なこととしてやっていくということでした。こういう真っ当な考えを持ち、かつ少人数で個別対応を意識してくれている大学院に進むと、「なんとかして、学生の希望をかなえてあげたい」と考えてくれます。しばらくはこのような大学院に進むのが最も良いと考えます。
今回は、京都光華女子大学様、長時間の取材に誠実にお答えいただき、ありがとうございました。
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