利他の精神と鬼滅の刃と菩薩
以前、過去を追わざれ、未来を願わざれ というコラムを書きましたが、続きを書くつもりだったのですが、なかなか・・(要するに忘れていました)
この言葉は、一般に「一夜賢者の教え」などと言われます。パーリ語の経典に出てきますので、インド生まれの教えであることは間違いないと思います。そのパーリ語では、Bhaddekaratta-suttaと言います。細分すると、Bhddha(賢い、賢者)+eka(一)+ratta(夜or染める:片山一良先生は「喜び」としておられます)sutta(経)です。そのまま訳すと一夜賢者の経と読めます。そして、このBhaddekarattaの説明が経典内で行われます。以下、片山訳を長くなりますが、引用させていただきます。(片山一良訳『中部(マッジマニカーヤ)』第一期6、大蔵出版pp.136-137))
過去を追いゆくことなかれ
未来を願いゆくことなかれ
過去はすでに過ぎ去りしもの
未来は未だ来ぬものゆえに
現に存在している法を
その場その場で観察し
揺らぐことなく動じることなく
知者はそれを修するがよい
今日こそ努め励むべきなり
誰が明日の死を知ろう
かの死王の大軍と
約束することなきゆえに
このように住み、熱心に
昼夜怠ることのない
かれこそ〈賢善一喜〉なり、と
寂静者なる牟尼は説く。
長くなりましたが、詩の形式で、説明されます。さらなる詳細な説明が以下に記されますが、それは省略します。
過去を追いゆくことなかれの句は、よく引用されています。仏教が、「今」、「ここ」を、「生きる」教えであることを非常に端的に示しています。もちろん、当時は輪廻転生を意識しての記述ではあるとは思いますが、現代人にも十分応用ができる生きた言葉だと思います。今を観察して、今、動じず、修して、今努め励み、昼夜怠ることない。これがBhaddekarattaなのだという教えです。私たち日本人は、あまり輪廻などというものを意識して生活はしていないと思いますが、それでも過去にとらわれ、未来を不安に思って、今を放置して生きてしまうことは多々あります。これがかえって苦しみを生んでしまいます。私たちも大いに学ぶべき教えだと思います。
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