大学院に進む意義
臨床心理学の研究計画を作っているとよく出てくるのが、「自己肯定感」です。似たようなものに「自尊感情」「自己効力感」といったものがありますが、少しずつ異なります。自己肯定感は、文字通りの意味です。自分を肯定的に受けとめることと言ってよいと思います。ある程度、自分は大切、自分が必要と思えることは重要です。しかし、このようなテーマを選ぶ人が多いということは、それだけ自己肯定感が低い人が多いということでもあります。文字面からしても、自己肯定感は低いよりも高い方がいいということは誰でも考えると思います。しかし、これはなかなか奥の深いもので、問題になるのは、自己肯定感の高め方、低下させない方法、低下したときの処理方法、自己肯定感と相関のあるもの、低い人の要因、因子、などなどたくさんあります。CiNiiで論文検索をしてみると800件以上かかりました。やはり研究者も多くの人が注目しているということです。
自己肯定感が低いとロクなことがないのだろうな、という想像はつきますが、実際、授業外で様々な相談を受けている時にも、相談内容の根っこにあるのは、自己肯定感の低さではないかと思わされる(逐一指摘するわけではありませんが)ことは多々あります。私自身は、自分で「褒めて伸ばす」タイプの教師だとは思っていません。けなすことはほとんどありませんが、褒めているつもりもありません。生徒をよく観察して、「できること」を見いだして伝える。あるいは本人も(本人だけが or 本人だからこそ)気づいていない(気づけていない)特長について指摘することは、毎日のようにあります。でも、それは褒めているわけではなく、ただこちらが捉える事実を伝えているだけです。私なら、「意地悪ですね」と言われようものなら「ありがとう」と言い返すのですが、自己肯定感の低い人は、私的事実を聞くと、「いやいや、そんなことはありません」とか「そんなにほめられたらかえってプレッシャーです」とか、なぜか「かえって落ち込む」なんて人もいます。私は別に褒めているつもりはありませんので、その旨を伝えると、「いままでそんなこと言われたことない」と、考え込んでしまう人もいます。言われたことがあろうが、なかろうが、たいした問題ではないようにも思うのですが・・
だから、私は、行き詰まっている生徒には、いつも「身近な人に褒めてもらってきてください」という課題を出します。そうすると、多くの人は「誰も褒めてくれません」と言うか、あるいは、「拒否」というケースもあります。しかし、自己肯定感が低く、不具合が出ていると思う人は、是非、無理矢理でもかまいません。周囲に「課題として出されたから褒めて」でもかまいませんので、褒めてもらってください。周りが、褒め尽くして、もう褒めるところはない、と言われるまで何度でも褒めてもらってください。そうすると、徐々に周囲もよく観察してくれ、褒めどころを探してくれるようになり、本質的な部分が出てきます。これを繰り返して、何度も同じような内容で褒められるようになると、受け入れられやすくなります。一度試してみてください。
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