公認心理師法案の動き
厚生労働省のホームページにて、第5回公認心理師カリキュラム等検討会ワーキングチームの報告書が掲載されています。私たちが気にしているのは、どのようなカリキュラムになるのか、ということについてです。都市伝説がたくさん出ていますので、公認心理師の資格を考えている人は、あまり惑わされないようにする必要があるのですが、最新1月12日の第5回の報告書が出されました。たたき台だらけでちょっと笑ってしまいましたが、以下に、
「公認心理師のカリキュラム等に関する基本的な考え方」を踏まえたカリキュラムの到達目標(たたき台)
を引用させていただきます。
原本
1. 公認心理師としての職責の自覚
1-1. 公認心理師の役割について理解する。
1-2. 公認心理師の法的義務を理解し、必要な倫理を身につける。
1-3. 利用者(心理に関する支援を要する者等)の安全を最優先し、常に利用者中心の立場に立つことができる。
1-4. 守秘義務と情報提供の重要性を理解し適切な取扱いができる。
1-5. 保健医療、福祉、教育その他の分野における公認心理師の具体的な業務の内容を説明できる。
2. 問題対応能力と生涯学習
2-1. 自分の力で課題を発見し、自己学習によってそれを解決するための能力を身につける。
2-2. 社会の変化を捉えながら、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を身につける。
3. 多職種連携・地域連携
3-1. 多職種連携・地域連携による支援の意義について理解し、チームにおける公認心理師の役割を説明できる。
3-2. 現場での実習において、チームの構成や各構成員の役割分担について理解し、チームの一員として参加できる。
3-3. 医療機関において「チーム医療」を体験する。
4. 心理学・臨床心理学の成り立ち及び概論
4-1. 心理学の成り立ちについて概説できる。
4-2. 知覚、認知、学習に関連する心理学の代表的な理論や考え方を説明できる。
4-3. 臨床心理学の歴史、概念、諸理論を概説できる。
5. 心理学における研究
5-1. 心理学における実証的研究法について概説できる。
5-2. 心理学で用いられる統計手法について概説できる。
5-3. 統計に関する基礎的な内容について理解し、データを用いて実証的に考えることができる。
6. 認知及び知覚
6-1. 人の心の仕組みと働きについての基本的な考え方を概説できる。
6-2. 感覚・知覚・認知の機序及びその障害を概説できる。
7. 学習及び言語
7-1. 人が経験を通して人の行動が変化する過程を説明できる。
7-2. 言語の習得における機序について概説できる。
8. 感情及び人格
8-1. 感情に関する理論や感情喚起の機序を概説できる。
8-2. 感情が行動に及ぼす影響を概説できる。
8-3. 人格の概念及び形成過程を概説できる。
8-4. 人格の類型、特性等について概説できる。
9. 脳・神経の働き
9-1. 脳神経系の構造と機能について概説できる。
9-2. 記憶、感情等の生理学的反応の機序を概説できる。
9-3. 高次脳機能の障害と必要な支援について説明できる。
10. 社会及び集団に関する心理学
10-1. 対人関係や集団における人の意識や行動についての心の過程を概説できる。
10-2. 人の態度や行動をさまざまな理論を用いて説明できる。
10-3. 家族や集団や文化が個人に及ぼす影響を概説できる。
11. 発達
11-1. 認知機能の発達や、感情・社会性の発達を概説できる。
11-2. 誕生から死に至るまでの生涯における発達や各発達段階での特徴を説明できる。
11-3. 発達障害等非定型発達について基礎的な知識や考え方を概説できる。
12. 障害児(者)及び高齢者の心理学
12-1. 身体障害、知的障害及び精神障害について説明できる。
12-2. 障害児(者)の心理的特徴や必要な支援について概説できる。
12-3. 高齢者の心理的特徴や必要な支援について概説できる。
13. 心理状態の観察及び結果の分析
13-1. アセスメントに有用な情報(生育歴や家族の状況等)とその把握の手法等について概説できる。
13-2. 心理に関する支援を要する者等と関わりながらの行動観察について説明でき、適切に実施することができる。
13-3. 心理検査の種類、成り立ち、特徴、意義及び限界について概説できる。
13-4. 心理検査の適応及び実施方法を概説でき、正しく実施し、検査結果を解釈することができる。
13-5. 生育歴等の情報、行動観察、検査の結果等を統合させ、包括的に解釈を行うことができる。
14. 心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助)
14-1. さまざまな心理療法やカウンセリングの歴史、概念、意義及び適応を概説でき、実践できる。
14-2. 良好な人間関係を築くためのコミュニケーション能力を身につける。
14-3. 心理療法やカウンセリングには実施者の能力等によって限界があることを説明できる。
14-4. 心理に関する支援が必要な者のプライバシーに配慮できる。
14-5. 支援を実施した内容等について、適切に記録、報告、振り返り等を行うことができる。
15. 健康・医療に関する心理学
15-1. ストレスと心身の疾病の関係を概説できる。
15-2. 医療現場において生じる心理学的問題と必要な支援方法について説明できる。
15-3. さまざまな保健活動について説明できる。
15-4. 災害時等に必要な心理に関する支援について説明できる。
16. 福祉に関する心理学
16-1. 福祉現場における心理に関する支援の理論と手法を概説できる。
16-2. 福祉現場における心理に関する支援について、本人や家族への支援といった観点から概説できる。
17. 教育に関する心理学
17-1. 教育現場において生じる問題とその背景について説明できる。
17-2. 教育現場において生じる問題に対して必要な心理に関する支援とその方法について説明できる。
18. 司法に関する心理学
18-1. 犯罪を巡る心理・社会の趨勢を理解し、犯罪者や非行少年の処遇や矯正、更生に至るプロ
セスや関連要因、援助技法の基礎知識について概説できる。
18-2. 犯罪・非行の背景と犯罪・非行者の再教育と矯正・保護の基礎的な知識・手法について
説明できる。
18-3. 家事紛争等における問題に対して、中立的な立場で関与する視点を身につける。
18-4. 犯罪被害者に対する心理に関する支援について説明できる。
19. 産業に関する心理学
19-1. 産業・労働分野における基本的事項についての知識を身につける。
19-2. 職場における問題に対して必要な心理に関する支援とその方法について説明できる。
20. 人体の構造と機能及び疾病
20-1. 心身機能と身体構造及びさまざまな疾病や障害の概要について説明できる。
20-2. がん、難病等の心理的支援が必要な主な疾病の概要について説明できる。
21. 精神疾患とその治療
21-1. 代表的な精神疾患について、成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援といった観点から説明できる。
21-2. 向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化について説明できる。
21-3. どのような場合に医療機関へのコンサルテーションが必要か説明できる。
22. 各分野の関係法規
22-1. 医療分野に関係のある法律、制度について概説できる。
22-2. 保健分野に関係のある法律、制度について概説できる。
22-3. 福祉分野に関係のある法律、制度について概説できる。
22-4. 教育分野に関係のある法律、制度について概説できる。
22-5. 司法・法務・警察分野に関係のある法律、制度について概説できる。
22-6. 産業・労働分野に関係のある法律、制度について概説できる。
23. その他
23-1. 心理に関する支援技術として概念化・理論化し体系立てていくことができる能力を涵養する。
23-2. 具体的な体験や支援活動を、専門的知識及び技術として概念化・理論化し、体系立てることができる。
23-3. 実習を通して心理に関する支援を要する者やその関係者についての情報を収集し、課題を抽出・整理できる。
正直、まだまだかかりそう、という印象です。私が最も気になったのは、15. 健康・医療に関する心理学の箇所です。
15-1. ストレスと心身の疾病の関係を概説できる。15-2. 医療現場において生じる心理学的問題と必要な支援方法について説明できる。15-3. さまざまな保健活動について説明できる。となっており、何か、いろいろありそうな雰囲気を感じてしまいました。早く決まることが必ずしも良いことではありませんので、慎重に定められるた方が良いと思います。それまでは、落ち着いて待ちましょう。
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