論点ずらし
最近、助産学校受験や看護学校受験に関するお問い合わせをたくさんいただいています。その際、最も多いご質問が「小論文を書くコツ」や「文章を書くコツ」についてです。厳密には両者は異なります。私も長く小論文の採点に関わりましたが、正直なところ、あまり文章の上手、下手は採点対象にはなっていませんでした。あくまで読み手の主観にすぎないと言えばそうなるからです。もちろん、基本的な文法を外していた場合は減点対象になります。例えば、「すごいおいしい」という言い方は、不適切です。そもそもあまり文語では使いませんが、高校生の小論にはしばしば目にしました。最近の大学生のレポートでは当たり前になっているかもしれません。せめて「すごく」を使いたいところです。
これは加点要素ということではなく、減点にならないための方策です。私たち受験に携わるものは、二種の方法を常に考えます。つまり、加点要素と減点要素です。とりわけ、フィギュアスケートのような主観競技と類似しますので、いずれも重要になります。正確に言えば、私たちが常に意識するのは「減点されずに加点を取る」ということになります。通常、私は必修の授業で強調していることは、「まずは減点されないこと」です。私たちが扱う受験は減点が怖いのです。大学院受験にせよ編入受験にせよ、ほぼマークシートの試験はありません。だから、点数獲得というポイントゲームからは離れた方が合理的であることの方が多いと言えます。
ポイントゲームとは、例えば、マークシートの四択問題の場合、難易度は、明らかな不正解をいくつ入れるかで変動させられるわけですが、これを除外することによってポイントを獲得する確率が高まるというゲームです。しかし、大学院受験や編入受験の場合において、この理屈はあまり通じません。テスト中に「わからないものはわからない」「手も足もでない」という焦燥感にかられたという人もたくさん知っています。もちろん、だからといって、あきらめてしまったのでは、意味がありません。最後まであきらめずに書くことは基本的な作業です。では、仮に、わからない論述問題、全く知識のないトピックに関する小論文の問題が出たときにどうするのか、という問題は、大学院受験や編入受験をする際に極めて重要な問題と言えます。悪い言葉で言えば、いかにミス(この場合のミスは「欠落」)をごまかすか、あるいは、いかにミスと思われないようにするか、あるいは、いかにミスをリカバーするか、このあたりのテクニックは知っていて損はありません。こういったテクニックを使う際のルールとして覚えておかねばならないことが五点あります。
①文章をわかりやすくする
②問いに答えきれていなくても間違ったことを書かない
③拙くても根拠を出す
④カミングアウトをしない
⑤(嘘をついて)他人を攻撃したり、誹謗中傷をしない
以上は最低限のことであって、ここからが本来のスタートですが、まずはこれを意識しましょう。
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