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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

「何が言いたいかわからない」「何がしたいかわからない」からの脱却

2016年12月5日

テーマ:勉強方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

私たちが手がける入試にかかわると、必ず直面する問題がこれです。言いたいことを言う場合は、それが伝わらなければ意味はありません。「私は言いたいこと言わないと気がすまない」「ため込むのは嫌」「思ったこと言わないと損」などと言う人は結構います。このようなことを言う人は、実際は「言いたい放題言う」だけで、伝える意思、あるいは相手にわかってもらう意思がありません。ある意味では「伝わらなくていい」と言っているわけです。こういう人ほど得てして「言葉で伝えるのが苦手」「思っていることが伝わらない」などと言います。聞き手のことを考えずにしゃべりたい放題しゃべる癖がついていると、いつの間にか、聞き手のせいにしてしまっています。こうなると少し修正しておく必要があります。

私たち教師が生徒に言う「言いたいこと言う」は「自分の意図を正確に、できるだけ全部相手に伝える」ことです。遠からず、東京に研究室訪問をしようとしている人がいますが、研究室訪問の際にも気をつけておきたいこととして、「聞きたいことだけを聞く」のではなく、自分が質問をしていると、むしろ相手が疑問に思うことがでますので、それを予測しておき、それに対して、誠実、かつ正確に回答をしてくることも意識しておきたいところです。「言いたい放題言う」人は、自分が話すことを相手が黙って聞いていてくれることを目的とします。「うんうんだけ言って聞いてくれていればいい」と考えている人は、かなり危険です。大切なことは、どうすれば相手に伝わるか、です。相手にどれだけの情報とインパクトを残すかを意識しておかねばなりません。「伝えること」と「黙って聞いてもらうこと」は明らかに異なるということです。例えば面接で、「あなたは何が言いたいの?」と言われてしまうと、致命的とも言えます。私たちとしては、これは言われないように仕立てておくことを常に意識しています。しかし、相手にわかってもらえるように伝えることはそれはそれで容易ではありません。そのため、日常からどのような言葉を使えばよいか、誤解を招かないように言うにはどのような言い方があるか、最も伝わりやすい言い方はどのようなものか。このようなことをいつもイメージしておく必要があります。

私たちのように授業をする側も同様です。授業は聞いてくれる生徒がいて初めて成立します。一回ずつの授業で何を伝えるかを明確に決めておき、それがどの程度伝わったかについて常に反省材料として、考えるようにしています。小論文や志望理由、研究計画も同様のことが言えます。例えば、「●●療法の研究がしたい」だけでは伝わりません。当然、相手方は「●●療法の何がしたいの?」と一歩奥に踏み込んできます。そうするとこれは、●●療法の問題について問われているわけですので、例えば「●●療法の使用法について研究したい」と続きます。しかし、これでも伝わりません。「●●療法の使用法に今どんな問題があるか」という問いが生まれます。そうすると「●●療法を子どもに適用する時の使用方法を研究したい」と続きます。これでもまだまだピントが定まっていません。これを繰り返していくと、徐々に何がしたいのかということが、自分でも認識できるようになってきます。そこで初めて他人に伝えられる言葉が生まれてきます。この作業を丁寧にすることが「何が言いたいかわからない」「何がしたいかわからない」からの脱却には重要です。

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