次年度入試に向けて-まずはエラーチェック
私たちが研究に着手するとき、必ず踏まえないといけないのは、過去の研究成果です。研究計画書も同様です。過去の研究者たちの涙ぐましい努力を知ることも必要なのですが、もっと大事なことは、学問上の成果がどう進んでいるのかを正確につかむことです。そしてそれぞれのテーマのネットワークを形成していくことが必要です。歴史学で言えば、年表や地図が
その典型例です。このネットワーク作りが研究をしていく上での基礎になります。これによって、全体像をある程度つかむことができ、それによってはじめて「切り口」が見えてきます。以前、入試で、実習に加えて修士論文という研究成果を課すのは何故だと思うか、という質問がされたことがあります。実践は、基本的には、試行錯誤の活動と、その積み重ねによって、成功と失敗の両方を学び、普遍化することで、研究という巨大な知の基礎の積み重ねができてきます。その堆積の中から応用として情報とエビデンスをピックアップして例えば安全を確保したり、迷った時の道標になることもあります。時々、この基礎をおろそかにすることを、破天荒、型破りだという勘違いをている人がいますが、大間違いです。世に破天荒、型破りとして名を残す人の多くは十分に基礎を身につけているのです。ピカソなどは典型例ではないでしょうか。その上であらたな境地を切り開いていくのです。おそらくピカソの「すごさ」は素人にはわからないと思います(もちろん私もわかりません)。それがわかるようになるには相当の勉強が必要なのだと思います。研究も同じです。フロイトのどこがどうすごかったのか。なぜ心理学ではまずフロイトやユングを学ぶのか。無意識の何がすごいのか。冷静に考えると、ないものを「ある」と気づくのですから、大変なことです。このように考えながら勉強をすると、おもしろくなり、知識が自然に増えていきます。
古くは仏教。ブッダはインドでどんなすごいことをしたのでしょう。それを知るには当時のインドの社会背景を知らねばなりません。インド人の世界観も知らねばなりません。仏教が影響を受けたであろう先行宗教や哲学を知らねばなりません。そうやって研究が始まり、年月を経ることで、どんどん重厚になっていきます。この国の仏教では親鸞や空海、最澄は数え切れないくらいの積み重ねがあります。重厚になっているものほど、それだけ人々の関心を、時代や国境を越えて、引き付けてきたわけですから、見るべきものがあるということです。まずはそういったトピックがなぜすごいのかを知るために本を読み、それを他人に説明し、また知識を増やすということを繰り返すと、良い勉強ができます。暗記が苦手という思いを抱えながら勉強するよりも楽しんで学ぶことができます。
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