想定外が起こった時にわかる強さ
アメリカ大統領選挙が近くあり、その予備選挙が行われ、共和党側のトランプ氏という人物が勢いを持っていることが報道されています。私はあまりアメリカ大統領選挙には関心がなかったため、この人物の評価についても、ほとんど見てきていませんでした。しかし、最近になって、IS掃討に核兵器を使うことを否定しない旨の発言をしたとの報が出ました。それだけでも、この人物の想像力の欠如を思わざるを得ないのですが、彼の発言をさかのぼって見てみると、出るわ出るわ、想像力の欠片もない発言のオンパレードです。何で、こんな人物が、アメリカの大統領候補で、しかも人気が高いのか、強い疑問をもちました。
そう思ったことがきっかけで、あらためてふと考えました。じゃあ想像力ってそもそも何でしょうか?と。これまでもこのコラムでいくつか想像力を鍛える重要性について触れています。想像力と教養 を参照ください。しかし、冷静に考えると、私たちは、想像力を鍛えることを目的とした教育を受けた覚えはありません。また想像力が試されるテストを受けたことも、対策をしたこともありません。一部、適性テストなどで、これは想像力を見たいのかなと思うものがありましたが、英語、国語のようなカテゴリーに想像力という項目があったということは寡聞にして知りません。
子どもの想像力を高めるために親ができることという記事で指摘されるように、子どものうちに想像力を伸ばす教育を提供することは非常に重要なことだと思うのですが、ここで触れられている子どもさんが通った塾は、想像力を伸ばすトレーニングをしているように読めます。しかし、このような教育が重要であることは誰にでもわかるにも関わらず、それでもなお受験専門塾のようなところの方がニーズが高そうに思えます。目先の点数の方が重視される傾向にあることを否定できる人も少ないと思われます。
テスト問題は、想像力といった抽象的思考に点数をつけることは難しく、客観性を保つ問題には適さないと考えられることはあり得る話です。しかし、大人の場合、後付けで想像力を身につけるのは無理なのでしょうか。トランプ氏のような人物(もしかすると逆の意味で想像力が豊かなのかもしれません)が、弱者や社会的に虐げられている人々の声をかき消してしまい、それを多くの人が喝采するという、人間の黒い歴史の繰り返しのような現象が起こることを想像する力は、子どものうちから身につけるのは難しいと思うのです。
「想像力の欠如した人」というカテゴリーを描き出すのは、それほど難しいことではありません。この記事などを読めば、簡単にイメージができます。また私も、大嘘をついて誹謗中傷する人物に絡まれましたが、このような人はやはり想像力が欠如していると言えるでしょう。嘘をついて他人を誹謗中傷すれば、自分がどうなるかということが想像ができないわけですから。いざ、ジャッジメントから、自分の主張が全部否定されると、さらに大声をあげるという悪循環を繰り返していますが、想像力が欠如していると、その後の自分の運命を予測ができないのでしょう。そして、自分に不都合な事実がつきつけられると、他人のせいにして騒ぐというおきまりのパターンです。
一方で、大人で想像力のある人と言い切れる人を探すのは、非常に難しいことです。想像力の欠如した人と対極にある人と言えます。また、大人になってから、想像力があると思える人は、どんな考え方をしているのかという問題についてももっと考える必要があります。誰にでも得られるものなのか、一部の選ばれし人だけが、結果論にもとづいて想像力があると評価されるのか、このあたりも明確ではありません。私が想像力たくましいと思う人物は、挙げればたくさんいますが、サッカー元日本代表監督の岡田武史氏です。彼は代表監督の時、禅語を拠り所したことが、様々な記事に出ましたが、そもそもサッカーは想像力が問われるスポーツであり、その監督ともなれば、より想像力が豊かでなければならないと思います。しかしそれだけではなく、岡田氏は現在、地域活性化、雇用創出、企業経営、国際化、サッカーチーム育成、強化などなどを同時に実現しようという壮大な映像を描いておられるそうです。私はこのような壮大な全体像を描いて、それを綿密に実現しようとして、できる人を想像力がある人だと考えています。こういった想像力のある人を作る教育ができるようになることが、私の目標の一つでもあります。
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