他人や社会のせいにするのは間違い

井上博文

井上博文

テーマ:REBT 論理療法

REBTで自分の怒りや不安などの感情的不具合に関して、
他人や社会のせいにするのはイラショナルビリーフ
(誤った思い込み)と言えます。
REBTは、この思い込みが自爆的感情を生み出すという
理論ですが、例えば「他人が自分の悪口を言っている」
という事実があったとして、その事実を自分がどう
受け止めるかということをポイントに考えます。
当然、悪口を言われたからといって、全員が腹をたてる
わけではありません。感じ方は百人いれば百通りあって
おかしくありません。中には怒り狂う人もあれば、
何とも思わない人もいるでしょう。

大切なことは、目の前にどんな事実があり、その事実を
どのように解釈しているか、です。
いずれの歴史であっても、問題のなかった社会など
この世に一度たりとも存在したことなどありません。
人間が寄って集まればそんなもんなのでしょう。
仏教の戒律でも、よく読めば、様々な種類の争いごとの
収め方が書いてあり、裏を返せばそれだけ争いがあった
ということになります。
また、ブータンが世界で一番幸福な国というキャッチフレーズが
ありますが、果たして本当でしょうか?中国の進出に
よってどうなっているかについて目を向けた場合、
幸せな国には見えない側面も見えてくるでしょう。
また1970年代まで、北朝鮮は地上の楽園と呼ばれていました。
今もそうだと思う人は稀でしょう。社会など、いついかなる時でも
そんなもんです。だから社会のせいにするなど、全く無意味です。

だから、「社会を変える」というのも事実からかけ離れています。
歴史上、事実として社会を変えることができた人などいません。
王朝を倒して、王の首を切った人はいるでしょう。
奴隷として人間を扱った人もいたでしょう。魔女として女性を
火あぶりにした人もいたでしょう。これらは社会の問題と言えば
そうかもしれませんが、これらは全部人間の問題です。
各人がこれをおかしいと思い、これらの行為を一人ずつやめて
いかなければ、いまだに残っているでしょう。漠然と社会を
変えるといったスローガンを掲げても何も意味をなしません。

忘れてはならないのは、前回も言いましたが、この社会を作ったのは
私たち一人ひとりです。そしてこの社会になることを望んだのです。
当然、その中には望まない人もいるでしょうが、より多くの人が
望んでいるから、こんな社会になるのです。この事実を踏まえることが
第一歩であって、この事実を無視しても何も変わりません。
戦争もそうですが、特に始めた時は、大多数が望んだのです。
シリアに攻撃するかどうかも同様です。アメリカ人の大半が
望まなければ、おこらないはずです。説得するのは政治家ではなくて
アメリカ国民一人ひとりのはずです。決して一部の利益を得たい
輩だけが社会の流れを作っているわけではないのです。
これからアメリカ人がどういう行動を取るかは、一つのメルクマールに
なると思います。アメリカがシリアに攻撃するにせよ、しないにせよ、
誰か他者が考え方を変えることができる人はいません。
社会を変えられると主張する人は、是非、今すぐアメリカ社会を
変えてきて欲しいものです。アメリカの迷惑行為は、世界中を
巻き込む迷惑行為です。日本もすぐに巻き込まれます。
変えられるものなら、今日明日中にも変えて欲しいところです。
だいたいこう言うと、社会を変えられると主張する人は
「何で私がしないといけないの?」
と言い出します。その経験も何度かあります。
でもできないとは言わないところが笑えるところです。

もちろん、現実として、そんなことをできる人はいません。
現実的に我々ができることは、声をあげてメッセージを発することだけでしょう。
それをすることをあきらめてはいけないと思いますが、だからといって
自分の思う通りにはなりません。これも当たり前の現実です。
だから、その流れに乗せられるしかなくなるのです。その上で、
さらにできることは、結局自分を変えることだけなのです。

オリンピック開催を妨害しようとしてきた隣の横暴な国々に
いくら腹をたてても、相手は変わりません。相手と同じことをしたのでは
第三者から見れば、同類になってしまいます。そんなことよりも
ただひたすら自分たちを律し、良い方向に変えて、
可能ならば放射能問題も解決し、
堂々と隣の横暴な国々にオリンピックに参加してくださいと言える
ようになることが、何かを変える第一歩だと考えています。



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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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