正義の心が悪を生む ~凶悪な事件にみる、心の闇と人の心の本質~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

相模原で起きた障害者施設殺傷事件にしても
座間で起きた9人の自殺願望者殺害事件にしても
目的や考え方はどうであれ、いずれも苦しみに満ちた世の中を良くしたい、良くしていきたいという思いから
このような事件に発展したとも言えます。

もちろんその考え方は歪んでいますが、これまで世の中で起きている残忍な事件やテロ事件などは
いずれにしてもそれぞれの正義によって良くしたいという思いからそのような行為に繋がってるんですね。

意識的に良くしたいとは考えてないかもしれません。
自分の欲望のためであり、崇高な目的や信念のもとに行為に及んでるわけではないかもしれません。
しかし本質を捉えて見た場合、やはりそこには良くしたい、良くしていきたいという思いが隠されているのではないでしょうか?

人はついその人の言動のみを取り上げて評価してしまいます。
(その先にある内面に抱えてるものまで見ていない)

相模原の事件にしても、障害を抱えて不自由(つまり不幸)だからという動機が
自分なりの考えとして良くしたい、助けてあげたいと事件に繋がったと言えますし
座間の事件にしても、自殺を願望するほど苦しいなら(つまり不幸なら)
自殺を手助けしたいとの思いがそうさせたと言えなくもないのです。

本人がそう意識していたかどうかはここでは問いません。
あくまで行為に及んだ本質について考察してみると
例え考え方は歪んでいたとしても、いずれも良くしたいという人間本来の性質がそうさせてるのかもしれないという事。
(事件や犯行を擁護するつもりは一切ありません)

悲しいかな、正義や性善説は悪を生んでしまうのです。

必ずしも正しい行いこそが善だとは限らず
むしろ何かを良くしたい良くしていきたいという思いが人間の心(本質)になければ
このような残忍な事件も起きないのかもしれません。

犯罪(犯行)や事件とは必ずしも本人にしっかりとした目的意識があって実行されるものではなく
何か自分でもわからないところで動機に繋がるような
“無意識の作用”が働いて行為に及んでしまうのかもしれませんね。

自分自身の抱える苦しみ、そして人の不幸や苦しみに耐えられない思いが力になりたい、助けてあげたい
世の中を良くしていきたいという思いを無意識の中に芽生えさせ
それが表層に現れた時に歪んだやり方で事件へと繋がってしまう。

もしそうであるなら人の幸せを願うより、まずは自分自身の苦しみの根源と向き合い
自分の心の安寧にこそ心血を注ぐべきなのかもしれません。

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専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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