発達障害と認知症そのものは、精神的に病んでるわけではない
同じ動作を繰り返す、“ルーティン”が注目され始めて久しいですが
実は注目される前から今日まで、昔からルーティンは日常的に行われています。
大きく言えば毎日繰り返す日常生活もルーティンの一つで
家事や仕事も少しずつ内容は違えど、ルーティンの一つだと言えますし
もっと特徴的でよく知られるルーティンといえば
自閉症の人が繰り返す、繰り返し動作なんかはまさしく昔から行われているルーティンで
注目される以前から自閉症の症状として日常生活に支障をきたす程のルーティンとなっています。
このようにルーティンの良し悪しについては様々ありますが
最近知られるようになったルーティンのイメージとしては
集中力が身に付く(養われる)イメージがあるのではないでしょうか。
確かにその通りで、自閉症の人の驚異的な能力は
このルーティンが根底にあるのも一つの大きな要因です。
では自閉症でなければズバ抜けた集中力や能力は身につかないのでしょうか?
そもそもルーティンは何かと比べたり良し悪しを計るようなものではありませんが
ルーティンには精度の向上が図れるという特徴があります。
つまり繰り返し繰り返し同じ動作(作業)を繰り返す事で
段々取り組んでいる(繰り返している)事が上達していくんですね。
そして作業が効率化される事によって、最初は苦労していた動作も次第に楽になって来ます。
しかし一方、ルーティンには新しいアイデアが生まれなかったり
創造性や開拓精神に乏しくなるという特徴も備えています。
同じ事しかしませんから、つい楽なやり方を選んでしまい
新しい事にチャレンジしたり受け入れるという事が難しくなるのです。
要はメリットもあればデメリットもあるという事。
その特徴が極端に症状として表れているのが自閉症ですが
自閉症のように日常生活に支障をきたす程の症状と引き換えに
他人より突出した能力を発揮するのが良いのかといえばそうではないですよね。
やはりバランスが整ってる事が理想だと言えるでしょう。
ルーティンによって活躍してる人を見るとかっこ良く見えたり
その動作を真似して面白がってる人も居ますけど
だからどうというわけではなく、元々はこうした自閉症の症状に由来するのだと知って頂き
少しでも自閉症の人の(不可解な行動の)理解に繋がれば幸いです。