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あなたも他人事ではない、人間の心理(性格)と自閉症との関係 ~自閉症はなぜ自閉症と呼ばれるのか~

2015年5月29日

テーマ:自閉症の心理学・広汎性発達障害

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

私は自分で自閉症だと言っています。
ですが見た目や印象からは自閉症だなんてわからないでしょう。

では見るからに自閉症だとわかるような人と
私のように見た目にはわからないような人とでは
同じ自閉症でも同じ症状の苦しみを抱えてても
なぜ扱われ方(捉えられ方)が違うのでしょうか?

わかりやすければ優しくされ、わからなければ厳しく扱われる。
この人は良くてこの人はダメだなんて、まさに差別や偏見そのものですよ。

このように軽度の自閉症やアスペルガー症候群など
見た目にはわからない発達障害を抱えてる人間は
自身の発達障害の症状に加え、この扱いの差によっても苦しまされてるわけですね。

自閉症とは日常生活、社会活動に何らかの支障があるだけで
感覚の違いや鋭さがその人の個性(症状や特徴)として現れたものですから
何も異常な人の事を指して言うのではありません。

何かに対する感覚が敏感(感覚過敏)だったりしますので
症状が出ないように抑えるためには何も感じないようにする必要があり
何も感じないためには周囲からの影響(刺激など)を遮断する必要がある。

だから必死に抑えようと自分の中に閉じこもったり周囲との関係を断つ。
これが心を閉ざしてるように思われ(実際心を閉ざしてるような状態になる)
自閉症という名の由来になってるわけですね。

他にも発達障害や自閉スペクトラム症など様々な呼び方がありますが
やはり自閉症と呼称する方がピッタリな気がしますし
ですから私も自閉症を自閉症と呼称しているのです。
(従来の自閉症と区別するために、何か別のマッチした呼び方があればいいのですが)

さて、自閉症という呼称に関してはここまでにして
自閉症だと一体どういう症状があり
その特徴を個性や能力としてどう活かしていけるのでしょうか?

まず自閉症とは、少なからず誰しもが持ち得てる要素です。
この事を踏まえた上で一つの例を挙げてみます。

細かい事にこだわるのも自閉症の特徴ですが
例えば文字を書くのも人それぞれ個性があります。

読める字と読めない字があり、その中でどうしても読めない一文字があったとしても
前後の文や何とか読める字から推測して
その読めない一文字であっても何とか読む事が出来ますよね。

このようにたった一つだけを取り上げただけではわからないような事でも
物事の前後、周りの関係性や影響を見る事によって
そのわからない何かでも解明する事が出来るようになります。

これは私にとっては心理カウンセリングに活かせますし
このような視点で物事を捉えるのも一つの自閉症の特徴であり
他の人のように一般常識に捉えられた中で生活していては
決して真似の出来ない特徴(この感覚・感性の違いこそいわゆる自閉症の特徴)なのです。

だから私の場合であれば
どこに問題があるのか、お話を聴いてると大体すぐにパッとわかりますし
別に超能力でも何でもありませんが
これが私の特技であり、能力や才能と言われるものなんですね。

人によっては自慢してるように聞こえるかもしれませんが
これは自慢でも何でもなく
ただそういう事が出来るってだけの、出来るか出来ないか論程度のものに過ぎません。

逆に言うと、捉えてしまう感覚が余りに広大過ぎるため
それをまとめたり言葉にして伝えるのが苦手といった特徴があります。

何かに秀でていれば何かが劣っているというわけですね。

このように自閉症から人の心理を見てみると
これまでわからなかった様々な謎を解明する事が出来ます。

かつて天才と呼ばれている人たちも、皆自閉症の特徴がそうさせてるのであり
そこには常人には想像も及ばないようなストレスを伴ってるという事が
お分かり頂けましたでしょうか。

この抑え切れなくなったストレスこそ自閉症の症状として表に現れたものであり
一般的に言うなら“強い個性(性格)やクセの症状”だと言えばわかりやすいでしょうか。
一般の人でも、酷くなると強迫性障害や適応障害などの障害になってしまうものですね。

そこから誘発されるのがうつ病などの精神的な病気ですが
精神的な病気なら対処したり改善する事も可能ですが
私が考える自閉症は治療したり直すようなものではありません。
また、治す必要のないものなんですね。

とはいえ、自閉症はどうしてもストレスや生きづらさを伴いますから
その負担を軽減してあげるような工夫は必要ですし
その改善策や対策として、私は心理カウンセリングでお応えさせて頂いてます。

どうすれば自閉症の特徴を才能や能力として活かし、負担を軽減する事が出来るのか。
ここに向き合っていけば、きっと豊かで過ごしやすい世の中になると思いますし
私もより良い社会になるように取り組んでますので、共に歩んでまいりましょう。


京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎



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この記事を書いたプロ

宮本章太郎

心理カウンセリングのプロ

宮本章太郎(京都カウンセリングラウンジ)

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