どこでやるのか、は大事?―考えてみよう、立地というブランド―Ⅲ
パンフレットができあがりました
作成中だった事務所のパンフレットができあがりました。今は税理士法人ですので、「会社案内」ということになります。これまで、同業者とのお付き合いもいろいろありましたが、かつてはHP(ホームページ)や「会社案内」を持っている事務所はそう多くなかったような気がします。
さすがに現在では、以前に比べて税理士事務所でもHPを開設していることが当たり前の世界になってきました。一方、現在でもペーパーの「事務所案内」を持っている事務所はかなり少数派だと思います。
冊子風に印刷された「会社案内」というのは、中堅以上の企業であれば、ほぼどの会社にもあるはずです。しかし、税理士事務所というのは、一般の事業に比べて小規模のところが多かったせいか、ペーパーの会社案内(事務所案内)を作成している事務所はほとんどなかったのではないかと思います。
「会社案内」の使い方
かつて、税理士事務所とは全く異なる業態で起業した経験のある私は、最初から「会社案内」がないというのはあり得ない、と思っていました。というのは、かつて起業したその会社では、まさに「会社案内」が、営業の際ものすごく効果を発揮したからです。
ということで、父の事務所を受け継いだとき、すぐに「会社案内」の作成にとりかかりました。前後してHPも作ったのです。
つまり、私にとって、自分が向き合っている事業の存在を外に向かってアピールするのに、何の道具も手段もないということはおよそ考えられないことでした。とはいえ、最初に作成した20年くらい前は、まだかなりの少数派だったことは確かです。
当時、知り合いだったグラフィックデザイナーに依頼して作成した最初の「事務所案内」は、それなりに威力を発揮したと思います。というのは、前述しましたように、そんな営業ツールを持っている事務所はほとんど存在しなかったので、売り込みに際してはかなり活躍をしてくれました。
その後、税理士法人を設立して事務所名が変わってからも、必要な時はとりあえず以前の「事務所案内」を使用していました。あれから随分時間も経ったので、今回いよいよ新しい「会社案内」を作成することにしたのです。
特別編成チームで当たることに
前回「事務所案内」を作ったときは、そのほとんどを私とグラフィックデザイナーの二人で決めながら進めました。しかし今回は、女性を交えた若いスタッフでチームを組み、一緒に取りかかることにしたのです。
というのは、今回は私だけの感覚ではなく、より若いジェネレーションの感性を取り入れたかったことと、デザインをインターネット上のサイトで広く募集することにしたからです。ネットを駆使するのは私よりも、若いスタッフが得意としているところでもあります。
ネット上には多くのデザイナーが登録しているサイトがありますので、そこから我が社の「会社案内」を託すのに相応しいプロを探しました。何人かの候補が残った中から、「無難」というコンセプトをはずし、ちょっと大胆な提案をしてくれそうなグラフィックデザイナーを選んだのです。
これまでもそうだったのですが、デザイナーさんに「事務所案内」を頼むときも、いろいろなパンフレットやセミナー案内を発注するときも、デザインやレイアウトなどビジュアル面はお願いしても、コピーライトを依頼することはありませんでした。会計事務所の特徴を文字や文章で伝えるコピーライトというのは、やってみると意外に難しいのです。
というわけで、今回も中に入れるタイトルコピーやボディコピーは、ほぼすべてこちらから提供しました。以前HPを作成した際に使ったコピーなどがありましたので、統一感を出すためにもそれらを一部使用しました。
見た目と中身の統一感
さて、こうやってどんな風に作りこんでいくか、といった外枠つまり「見た目」を決める一方で、そこに命を吹き込むコンセプト、組織としての方針や方向性といった中身をきちんと考えなければなりません。形式とコンセプトの統一感を図ることで、良質な「会社案内」が完成します。
そこで私は、今回作成する「会社案内」に次の三つの基本的な考え方、事務所の姿勢というものを取り入れることにしたのです。
これが表紙です。
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