世間に聞かせよう、社長の専門性―「情報発信(アウトプット)」は自ずと自己研鑽にも繋がる―
リスクに挑戦しなければ何も始まらない
企業が行なう新しいチャレンジには常にリスクがつきものというのは、昔から変わらない原理ではあります。ただ、そのリスクにあえて挑戦しなければ、何も得られないことも確かな事実です。
例えば、これまでやったことのない「情報発信(アウトプット)」に新たに取り組むことで、それまでは受けたことのなかったような風当たりを世間から受ける、といった一定のリスクを背負う可能性は避けられません。何か新しいことを始めるというのは、常にそういったリスクを覚悟する必要があるのです。
「情報発信(アウトプット)」の持つメリット
ただ、そんな新たな試みの中でも「情報発信(アウトプット)」には、他の新規取り組みと少し異なるメリットがあります。それは、「情報発信(アウトプット)」そのものの内容に含まれているのです。
というのは、「情報発信(アウトプット)」においては「こんな新しいことに取り組んでいますよ!」とか「こんな珍しい商品がありますよ!」とかいったトピックス的なものだけを発信する訳ではないからです。「情報発信(アウトプット)」に突き付けられる条件が、常に「何か新しい取り組み」「画期的な商材」「面白い出来事」等々であったならば、発信する方も疲れてしまいます。
もちろん、毎度毎度そんなコンテンツが準備できるならば、より人々の注目を集めることは可能でしょう。しかし、こちらはプロの雑誌編集者などではないので、それでは息切れがしてしまいます。
決して難しい話ではない
私が言う「情報発信(アウトプット)」というのは、そんな小難しい切り口で難しく考える必要は全くありません。これまで営々とやってきたことを伝えるだけでいいのです。
何度も言うようですが、こちらにとっては日常の仕事であり、不思議でも何でもない世界であっても、それをわかりやすく上手に伝えることが大切なのです。たったそれだけのことでも、「珍しい!」「興味深い!」と思ってくれる人はいるのです。
そういったことを繰り返していけば、こちら側の事業や商品、サービスなどに対する理解が深まり、ポジティブな意味での顧客の支持に繋がります。そんなコミュニケーションの中から新しい顧客との世界観が生まれるのです。
そういう意味では「何か新しいことに取り組む」といっても、「情報発信(アウトプット)」の場合、ただそれを始めればいいだけのことであって、何か新しいものやことを0から考える或いは作り上げる、といった作業は必要ありません。つまり、必要な努力やかかってくるリスクがそこまで大きなものではないということです。ここを誤解してはいけません。
省エネ努力で大きな効果を
つまり、既に存在する有形無形の企業資産をきちんと把握し形を整えて、適切な媒体を選択した上で継続的にそれらに関する情報を発信していけばいい(多少の粘り強さは必要ですが・・・)のです。無から有を生み出す努力が必要なわけではありません。
ということは、新商品開発とか新規事業の立上げとかに比べればエネルギーは格段に少なくて済みます。その割に、この試みが有効に働けば、事業の業績に貢献する効果は高いといえましょう。
逆に言えば、どんな事業においてもそれまで培ってきた有形無形の企業資産というものはある訳ですから、これを「情報発信(アウトプット)」という形でお伝えしないのはもったいない、ということになります。このことに気がついている経営者はまだ少数派です。
未経験者ほど効果が大きい
「情報発信(アウトプット)」は、これまでこういったことに取り組んできていない企業ほど、これを行なったときの効果に期待が持てます。また、新たなリスクを危惧する必要が少ないのですから、これをやらない手はないのではないでしょうか。
今回は、新たなチャレンジに関する「リスクへの対応」ということで、「情報発信(アウトプット)」を材料に考えてみました。事業経営を行なう上で、もちろんリスクは少ないに越したことはありません。
しかし、リスクが全くないところに進歩がないのもまた現実です。そのリスクが極めて低い「情報発信(アウトプット)」という試みから新しいことを始めるというのはなかなか理にかなっていると思うのですが、いかがでしょうか。
発信しましょうぜ