「存在」と「無」ちょっと哲学的に考えた―社長が二足の草鞋(わらじ)を履かなければならない理由―
[日本の見事な職人技が垣間見える番組]
何年か前のことになりますが、NHKテレビの特集番組で、「すきやばし次郎」のご主人小野二郎氏を取り上げていました。
番組は、同じく食の職人である天ぷら料理人の早乙女哲哉氏との長年の交流関係を軸に作られていました。
お二人の仕事を通じて、お互いが何を考え、どんなことを刺激し合っているのか、相手をどれほど尊敬しているかなどが画面からひしひしと伝わってきます。
日本の見事な職人技が垣間見える見応えのある番組でした。
ご存知のように、お寿司というのは基本的には酢飯の上にネタを乗っけただけのシンプルな食べ物です。
この基本線を外したバリエーションがそれほどある訳ではありません。
にもかかわらず、そのネタを仕込むのにどれほど凄い工程があるか、番組ではその一部を丁寧に映し出していました。
ひとつのお寿司の裏側には、そこに至るまでの無限の世界観があるかのようです。
しかも、その仕込みの工程を70年以上に亘って常に進化させ続けているというところがまた凄い!という場面まで紹介していたのです。
NHKの持つ取材力の面目躍如といったところでしょう。
お寿司という、一見シンプルにも見える食べ物を、ここまでの手間ひまかけて魂を込めて作っているのです。
おそらく「すきやばし次郎」は、これからも進化を続けていくでしょうし、客足が途絶えることもないでしょう。
さて、こういった番組を見ていて思うのは、このようにある業界の頂点まで極めれば、マスメディアは向こうから取り上げてくれるということです。
そこで使われる画(え)にしても紹介されるストーリーにしても、それなりに構成すればちゃんと番組として成立するからです。
わずか1時間足らずの番組映像の裏には、膨大な取材映像があったことでしょう。
それは、それだけ取り上げるに足るストーリーを「すきやばし次郎」は持っているからにほかなりません。
「すきやばし次郎」ではありませんが、日本の食文化「幕の内弁当」
つづく