販売促進について考える―まだまだ手薄な地方企業における販売促進戦略事情―Ⅲ
[まず顧客に「知られ」なくては始まらない]
事業経営においては「独自性」が極めて重要な要素であり、それを「情報発信(アウトプット)」することが業績の向上につながる、と主張する私に対して「そんな特別なものは持っていない。」という意見があります。
また「それが何故業績アップにつながるのかわからない。」という反論があります。
この2番目の
「独自性をアピールすることが、何故業績アップにつながるのか?」
という疑問に対する答えですが、その半分は第1の疑問に対する回答、
「継続的に「情報発信(アウトプット)」を続ける経営者は極端に少ないので、その行為自体がまるで強い「独自性」を持っているかのように見えるのです。」
の中に含まれています。
つまり、「情報発信(アウトプット)」を継続的に行なう経営者は極端に少ないのですから、その行為そのものが「目立つ」ということです。
顧客に選ばれるためには、まず顧客に「知られ」なくては始まらない訳ですから、「目立つ」ことは理にかなっていることになるのです。
また、いかに情報化社会と言われ、世間に情報が溢れているといっても、我が社の情報を他の誰かが積極的に発信してくれる訳でも取り上げてくれる訳でもありません。
我が社の情報は我が社で発信していくしかないのです。
その際に、ただ自社の商品情報やサービス情報を流したのでは、普通の広告宣伝と同じになってしまいます。
広告宣伝にはまたそれなりの意義や使い方がありますが、経営者の行なう継続的な「情報発信(アウトプット)」には、露骨すぎて馴染みません。
ここでは、自社の思いやこだわりといった独自性のアピールが最も効果的なのです。
これが、自社の思いやこだわり、伝統、信条といったものを発信することが業績にプラスに作用するという理由です。
「独自性」というものに、それほど大きな意味を感じている経営者はまだ少ないと思います。
そんな状況でしかないことはわかっていますが、このコンセプトのインパクトの大きさを信じて、「情報発信(アウトプット)」の際の考え方や姿勢に積極的に取り入れていってもらいたいと思います。
おしまい