山下達郎が「冬の季語」?・・だとぉー(怒)!!―それが俳句かぁ~?!?―
[ここにお座りしてじっとしっているのよ!]
地元の小学校に入学するに際して、お勉強ができるらしいと評判だった女の子二人に対して、私は意外なダークホースだった。
そのお勉強でダントツ1番だったのである。
そういうわけで、たちまち学校では目立つ存在になった。
さて、そんな私が2年生になる直前、まだ1年生だった時のことである。
私とひらはらより子ちゃんは、卒業式に出席して、その年卒業する6年生のお兄さんやお姉さんたちを見送る在校生代表に選ばれた。
私は前述のようにお勉強はできたのであるが、この在校生代表という役割がなんにもわかっていなかった。
卒業式の式典に出たものの、なんのことやらさっぱりわからない。
その辺をウロウロしそうになるのを、ひらはらより子ちゃんに服の裾を引っ張られて
「ここにお座りしてじっとしっているのよ。」
と、まるでしつけの悪い犬のように怒られた。
そうして、ようやく自分がどうしていればいいのか、わかったくらいである。
なんというか、卒業生を見送る側の在校生代表という意味さえ、あまりちゃんと理解していなかったのである。
そうやって私を大人しくさせたひらはらより子ちゃんは、その後、在校生代表として、卒業するお兄さんお姉さんたちに「送辞」を読んだ。
私は、お勉強の方はダントツにできていたもの、その「送辞」を読む、などという役目についてはまったくなんの話もなかったし、あってもピンとこなかったかも知れない。
ひらはらより子ちゃんは、そこのところをちゃんと理解していて、見事にその役割を果たし、読み終わると席に戻ってきて、私の隣りに座ったのである。
彼女は自分のやるべきことを十分に心得ていて、なんなくそれをこなした。
その上に、なんにもわからんちんの私の面倒まで見たのである。
まるで年上のお姉さんのようでもあった。
まあそんな中、はっきり覚えているのは、ひらはらより子ちゃんはとても可愛い子だったので、並んで隣りに座れたのがすごくうれしかった、ということである。
思わぬ機会を得て、何をやらされているのかわからぬままに『うへへ・・』と、ただ内心喜んでいるだけの私の隣りで、ひらはらより子ちゃんはシャキッとおすまし顔で座っていた。
お勉強はできたもしれないけれど、そのほかのことはなんのことやらわからんちんだった私の原点ともいえる少々甘酸っぱさの残る思い出である。
ひらはらより子ちゃんはどうしているかなあ・・・・
遠い日の思ひ出さ・・・