突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅱ
[勉強や研修は、方向軸が内側に向かって行なわれるもの]
経営計画は、それに真剣に取り組んだとしても、自らのお客さんに直接問いかけるものではありません。
いくらいいものが出来上がったとしても、それ自身は、その会社のお客さんとは何の接点もありません。
それがどれほど素晴らしいものであろうが、そんなことを知る由もないお客さんにとっては全く関係のない話なのです。
ところで、理念についての勉強や、モチベーションアップの研修などについても同じことがいえます。
こういったことについて、いくら社内で勉強し努力したとしても、それは内側の話であって、対お客さんということでいえば、その時点では全く関係がないのです。
つまり、この手の勉強や研修は、あとで間接的にはその効果が期待できるかも知れませんが、直接的にはお客さんに対して何ら影響を及ぼすものでもありません。
それは基本的には、方向軸が内側に向かって行なわれるものであるからにほかならないからです。
それでは、「対お客さん」ということで直接効果のあるものは何でしょうか。
それは言うまでもなく、広告宣伝をはじめとする販売促進活動であり、直接売り込む営業活動です。
これらの研究や勉強は直接対お客さんを意識したものであり、その方向軸が外側に向かったものなのです。
販売促進や営業活動についても、どうやれば効果的か、といった研修やセミナーも多く行なわれています。
もちろんその内容というのは、最終的には経営者が指揮権を発動し、リーダーシップを発揮することでその効果が上がるように構成されています。
ただ、これらの場合、当たり前のことですが「組織を動かす」ということが前提となっています。
販売促進にしても営業活動にしても、そのコンサルティングは組織の一員としての社員が動かなければ機能しないような内容になっているはずです。
そういう意味では、先述の経営計画や理念の勉強のように「間接的」な効果ということではありません。
しかし、やはり組織に落とし込んでその組織が動き出す、までに多少のタイムラグがあることは事実です。
対お客さん・・・・いつでも難しいテーマです。
つづく