突破できるのか、業界の常識というハードル―業界の常識は世間の非常識??―Ⅰ
決めごとは大事
[事務所全体をどういった体制に持って行くか]
それまで、父や母の意向が中心で、内側のルールがきちんとしていなかったのが私の事務所でした。
「これではいけない!」と思い、当時の事務所の実情に沿った形で、先達の事務所の規定集などを参考に見よう見まねで作ったりしながら、少しずつ内部のルールを整備していったのです。
もう一つ、外側からのル-ルの規定としては、まずは法令遵守について世間並みのレベルにすることを心掛けました。
もちろん、それまでも意図的に法令違反などしていたわけではありません。
しかし、有給休暇や労働時間など、法的な規制が次第に厳しく規定されていった中で、追いついていない項目もありました。
そういったものに関しては、考え得る限りの「常識的なライン」で所内制度を作っていったのです。
こういった整備が遅れていたのは、地域的な周りの経営環境レベルということもありました。
私がこうやって自社のル-ル作りなどを続けていたその頃でも、周りの中小零細企業を見渡せば、地方における現状はとても整備された状況とは言えないものでした。
私の性格からしてそこそこアバウトにルールや制度の整備は行なっていったものの「これでOK」という確信は持てないままでした。
現在、社内でそういったルール作りが得意な人材を得ることができましたので、社会保険労務士など外の力も借りて、急速に所内制度の整備を進めた結果、現在の厳しいコンプライアンスにもかなったものができあがってきました。
それはそれで必要なことなので、引き続きこれからも整えていくつもりではいるのですが、それ以上に私には進めて行きたいことがあります。
それは事務所全体をどういった体制に持って行くか、ということです。
つまり、事務所経営として何を目指して、どれくらいの規模の、どういったタイプの組織に仕上げていくかという課題なのです。
ルールのような「決めごと」も大事ですが、全体としてどういった事務所を目指すのか、といった「構想」もまた忘れてはいけません。