青春の彷徨、新宿ゴールデン街―無頼に生きる、がテーマだったあの頃―Ⅰ
[ゴルフのうまさなどは価値を失う?!?]
敗戦の時のようなどん底まで落ちるくらいのインパクトがないと、なかなか変化に対応しようとしない、というのが日本のビジネス文化の特徴です。
そういった状況に経済同友会前代表幹事の小林喜光氏は強い警鐘を鳴らされます。
小林氏のインタビューはさらに続きます。
―人同士が顔を合わせる必要がある生産や研究などの職場を除き、働き方もテレワーク、オンライン化が進む。
「非対面」が広がれば、顔や背格好、ゴルフのうまさなどは価値を失い、話し手の論理性や知性、思考力がもっぱら問われる。
厳しい時代になるともいえる。―
ゴルフのうまさ・・・なるほどねー、と思います。
私はゴルフはやりませんが、そんなことが今まで営業価値などを決めていたのか・・・と、改めて日本の後進性に思いが至るのです。
そもそも、ビジネスにおいて、話し手の論理性や知性、思考力が問われる、というのは、当然のことといえます。
そういった本質的なことが2の次、3の次になっていたこれまでの日本のビジネスシーンの在り方がおかしかった、ということなのでしょう。
ただ、こういった日本の問題点を指摘される小林氏にしても、「厳しい時代になるともいえる。」と、まるで他人事のように表現しておられるのが、気になるといえば気になるところです。
というのは、私など「厳しい時代」はとっくの昔からそうなっていると気がついていたからです。
日本が世界に取り残されていったのは、「ゴルフのうまさ」などにかまけて、論理性や知性、思考力といった本当に大事な点に力を入れてこなかったからにほかならない、と思います。
「ゴルフのうまさ」というのは、おそらく「接待能力の高さ」ということを表しているのでしょう。
「和」を尊ぶ日本の企業文化が、論理性や知性、思考力に代わって、そういった方面に長けた人材を必要としてきたのだろう、と思います。
まあ考えてみれば、そんな企業文化では世界に通用しないことは、とっくに明らかになっていたのです。
テレワークが当たり前の時代
つづく