根性が違う、100歳の経営者魂―店長を震え上がらせた祖母の営業トーク―Ⅰ
[リトマス試験紙のような質問]
経営者の脳内を支配している『成功体験』という、一種の麻薬のような甘美な記憶。
これが、多くの経営者たちが変われない大きな要因ではないか、というのが私の見立てです。
私は、経営者が本当に変わろうとしたのか検証する、リトマス試験紙のような質問があると思っています。
この質問によって、その経営者の変革に対する本気度が測れるわけです。
それは
「再び『売り手市場』の時代がきたら、また昔のように上から目線で顧客に接しますか?それとも接しませんか?」
というものです。
大抵の経営者は
「いやあ、もうそんなことはしないよ。今度は丁寧に接するよ。」
と言うかも知れません。
しかし、その本当のところはどうでしょうか。
それについては、更にこう質問を続けることで解明できるのではないか、と私は考えます。
それは、
あなたは
「今思い出してみれば『売り手市場』だったあの頃でも、顧客に対してあんな接し方をするんじゃなかった。もし、過去に戻れるものならば、態度を変えてもっとちゃんとした接客をするのだが・・・」
とまで思いますか、どうですか?
ということです。
そこの本質的な反省がなければ、おそらく同じことの繰り返しになるのではないでしょうか。
そしてこれは、私の辛口の批評になるのですが、そんな風に思う(過去に戻っても丁寧に接するだろう、と)経営者はいないでしょう。
当時『売り手市場』でいい思いを経験した経営者はおそらくほとんどそうはならないだろう、ということです。
何故ならば「『成功体験』が麻薬のように頭から消えない」という現在の事実が、そのことをよく物語っています。
業績はいつも前年比増しだったあの頃・・・
つづく