あらゆるものが端末になる世界―競争はアプリからボットへ―Ⅲ(おしまい)
[業界全体の問題として捉えるべきとき]
あの頃のことを思い出してみて、面白かったのは、当時の業界誌に
「顧客へのパソコン会計導入は是か非か?」
などという特集が組まれていたことなのです。
そのとき誌上では、「導入すべきだ。」「いや、導入すべきではない。」といった議論が喧々諤々交わされていたのです。
私には
「へぇーっ、導入すべきではない、なんて思う会計人もいるんだ。そんな議論、全く意味がないだろうに・・」
と、議論すること自体馬鹿馬鹿しく思えていました。
さて、それから約20年近くが過ぎ去りました。
そして今、冒頭の若い職員との会話です。
世の中、相当変わったはずです。
もはや、コンピュータ導入どころか、クラウドとか自動読み取りとか、AIの世界とか・・といった時代のはずです。
私が、少なからず衝撃を受けたのは、そんな時代背景にもかかわらず、未だにアナログの資料を打ち込んで会計データを作成する作業をメインの仕事(記帳代行業務と呼んでいる)としている事務所もある、ということなのです。
同じ業界であっても、これまでそういった存在に全く目を向けないできた自分がいた、ということに気がついたのです。
この話を聞いて
「これは自分の事務所のことばかりでは済まないぞ。業界全体の問題として捉えるべきだぞ」
と思うのです。
私のデスク上も2画面時代
つづく