常に進化するAIの世界―競争はアプリからボットへ―Ⅰ
[多くの日本企業が行なうマーケティングは市場を創出できない]
ここで述べられている
―総合プレゼン能力を備え、それを発信できるクリエイティブな企業であれ。―
というのは、かなり高いハードルです。
今の日本においては、中小企業に限らず大企業においても、このハードルはクリアできていません。
その点について次のように述べられています。
― そのようなクリエイティブ企業の自信を裏打ちするものは、会社のビジョンだと思います。
今、日本企業の多くはこの自信に欠け、ソーシャルメディア・マーケティングを誤解し、(中略)細かくコントロールしたがりますが、本当に大切なものはその企業のビジョンです。(中略)
今のままでは多くの日本企業が行なうマーケティングは市場を創出できないでしょう。―
確かにソーシャルメディア・マーケティングを駆使しようと思っても、次々と新しい技術やコンセプトが登場するので、どうしてもテクニカルな対応に走りがちになります。
私自身を振り返っても、そうならざるをない側面があるのです。
何故、「会社のビジョン」が必要なのか、何故それがないと市場を創出できないのか、これは極めて大切な指摘と言えましょう。
その理由について、この後、明確に述べられています。
「メディア化する企業はなぜ強いのか?」の著者、小林弘人氏は、何故日本の多くの企業が「今のままでは日本企業が行なうマーケティングは市場を創出できないだろう」と思われるのか、明確に語っておられます。
それは、
― なぜならそれは、「上司説得型マーケティング」だからです。(中略)
「その製品は本当に売れるのか?」という上司からのプレッシャーに対し、説得材料としてかき集められたありきたりなデータが羅列されていくだけです。(中略)
結局、それは「すでにある市場」に帰結し、ちょっとだけ改良された退屈なコモディティーが生み出されるだけです。―
この「上司説得型マーケティング」という言葉は、実感を持ってすごくよくわかります。
会議の際に、したり顔の上司による反対意見というのは、いつもこんな形で出され、最終的につまらないレベルに着地するのでしょう。
事務所経営の私には直接の上司というものはいませんが、例えば、業界の会議などで少しでも斬新な意見を述べようものなら、こんな形で封殺されてきました。
私にとっては「斬新」というよりは「当たり前」に近い意見でもそうだったのだから、こういった前に進みにくいという雰囲気は、まさに組織的に日本中に蔓延しているものなのでしょう。
業界の会議はいつも「つまらない結論」に・・・
つづく