聞いてないヨー!―散々無茶振りをされてきてわかった自分の性格―Ⅲ
[能力よりも価値観の方がはるかに大事]
頭の良し悪しだけが物事の基準ではない、と、気付かされるもう1つの出来事は
「人間は能力よりも、その人の持っている価値観の方がはるかに大事である。」
という勉強をしたときになります。
この勉強は、私にとって極めて衝撃的なものでした。
一般に頭の良し悪しは、その人の持っている能力が高いか低いかで判断されます。
したがって、生きていく上で、特に仕事においては「能力」がなによりも優先される、と普通は考えるものです。
ところが、この「思想(価値観)は能力に勝る」という勉強の中では、物事に向き合うときの姿勢や考え方、価値観の方が能力よりも大事である、と教わったのです。
この場合の「思想」というのは、いわゆるイデオロギーのことではなく、その人の持っている価値の判断基準、ものの考え方、様々なことに向き合うときの姿勢、といったものを指します。
この点は、元京セラ会長の稲森和夫氏も、その著書の中で、同じような考え方を述べられています。
その中の一つに
「成功への条件は『能力×情熱×考え方』という3者の掛け算であり、中でも「考え方」が最も重要である」
といったものがあります。
「考え方」つまり、思考は「能力」に優先される、と述べられているのです。
この勉強は、それまで人生の中では、特に仕事においては「能力」が一番大事に決まっているじゃないか、と思い込んでいた私にとってはかなり衝撃的な出来事でした。
私の中にあった、能力に対する考え方が大きく変えさせられたばかりではなく、自分がこだわっていた「頭が良いとか悪いとかいうこと」のレベルの低さを痛感させられたのです。
深くモノを考える・・・のです。
つづく