青春の彷徨、新宿ゴールデン街―無頼に生きる、がテーマだったあの頃―Ⅰ
[個性派ぞろいのゴールデン街だが・・・]
ゴールデン街は、知っている人は知っていると思いますが、日本の言わばサブカルチャーのメッカみたいなところですから、極めて個性の強い人間の集合場所でもあります。
中でもこの店は、より個性派の集まる拠点のような所でした。
これまでも、自己主張のおっそろしく強い人、やたら喧嘩っ早い人、ものすごくネガティブな人、いろいろいたけれど、それも一応前提の礼儀として、他の客とのコミュニケーションはそれなりに抑制なり調整はしていました。
こんなのべつ幕なしにべらべらと、どうでもいい気持わりーい話を勝手にしゃべり続ける奴は、長く通っていても初めて会うタイプでしだ。
途中、近所のもの静かなオカマさん(なんせゴールデン街なので・・)も客としてやってきたのですが、あきれ果てたのか、1杯飲んだら早々に退散してしまいました。
なんか話したいことがあった風に見えたので、ちょっとお気の毒な感じもしたくらいです。
店内はその男に対して、明らかに最悪の空気感なのに、一向に動じる気配すらありません。
私もそろそろ帰ろうかなと思ったのですが、こいつとママさんを二人にしていなくなるのはどうも忍びない、という私の中途半端な人の良さがつい出てしまって動けずにいたのです。
そうこうしてたら、たまたま白人の外国人観光客が4人入ってきました。
日本で一番行ってみたい観光スポットゴールデン街探索というわけのようです。
すると、英語がややしゃべれるらしいその男は、喜々としてその外国人たちに話しかけ始めました。
一瞬、ワーッと盛り上がったものの、1杯だけ飲むとその外国人観光客たちはサッと引き上げてしまったのです。
また3人残ります。
いよいよ
「こいつ、早く帰らないかな。」
と思っていたら、ようやく腰を上げたのです。
そのときであります。
この夜の事件ちゅうの事件が起こったのは!
ゴールデン街の狭い路地。
すいません、今回の写真は全部横向きです。
首を90度傾けるか、画面を横にしてご覧ください。(画面矯正機能の付いたスマホじゃ無理か・・)
つづく