専門領域と一般領域の境界―大事だよね、退屈させない専門性の伝え方―Ⅲ(おしまい)
さて、会計上投資した金額を「経費」として処理することはできません。
「投資」というのは投入した資産(ふつうは金銭)が、別の資産(株とか債権とか土地とか)に名前を変えるだけのことで、経費と消えてしまう訳ではありません。
まあ、当り前といえば当り前のことです。
ところで、税理士への報酬は通常「経費」として認識されます。
というか、会計上は明らかに「経費」です。
しかしながら、この「経費」が「投資」としての性格を有していたらどうでしょうか。
通常ありえないような、こんなトリックを想定できるのが税理士報酬なのではないか、と考えました。
そうなのです。
税理士への報酬は、時として将来への有望な投資でありながら、その支払いを「経費」として処理する、つまり落とすことができるのです。
こんなお得な話はないではありませんか。
もちろん、無条件にこの「お得感」が手に入る訳ではありません。
それには条件の第一として、まず税理士側がそういう意識を持って仕事に当たっているかどうか、という点が重要なポイントとなります。
当り前の話ですが「投資」と言うのは未来志向を前提としています。
それは、将来のリターンを期待して行なう行為だからです。
これに対して、税理士が通常行なう業務である「数字について整理、計算をし、税金の額を算出する。」というのは基本的に過去の処理に当たります。
ここにおいては、未来志向という発想は全く必要としません。
海を渡る船のように明日への希望はあるのか。
つづく
経費なのか投資なのか?―税理士報酬を改めて考えてみる―Ⅰ