若者から見た「ズレ」への共感について―現代日本の様々な矛盾点を考えてみる―Ⅶ
そうなのです。
賢い若者たちは、とっくに「おじさん」社会の限界と崩壊を見抜いているに違いありません。
彼の「おじさん」に対するほぼ結論に近い見解はさらに続きます。
― もし本当にこの社会を変えたいならば、「おじさん」たち自身から変わらなければならない。
しかし疑うことを忘れた「おじさん」に、そんなことはできない。(中略)
「おじさん」とは自分たちの価値観を疑わない人たちなのである。
だけど同時に、自分たちを変えてくれる存在を待っている人たちでもあるのだ。
「おじさん」たちは「若者」に倒されるのを、待っているのかも知れない。―
なるほどね。
なかなか面白い見解ではあります。
というか、極めて真っ当な考え方かも知れない、とも思うのです。
私自身、多くの経営者に対して
「今の経営状況を変えたければ、経営者自身が変わらなければ何も変わらないですよ。」
とは口を酸っぱくして言ってきたことです。
しかしながら、彼らが「変わる」ということは、極めて難しいように見えました。
理由の一つには「怖れ」もあるのでしょうが、先述の「成功体験」という麻薬も大きいのです。
いまだに
「あんなにうまくいったのに何で変えなければならないんだ!?」
と、思っている経営者は極めて多いのです。
つづく