補助金ってなんだろう?―その本質と現実について考える―Ⅵ(おしまい)
私は東京から帰ってくるまで、補助金や助成金と言ったものに特別な感想などありませんでした。
「世の中にはそういうものがあるらしい。」
とは漠然と知っていましたが、これほど注目される存在という意識はなかったのです。
東京でのビジネスは、ほぼそのすべてが自己責任でした。
何か他のものに頼る、特に公的な援助をあてにする、などという発想は初めっから全くなかったのです。
田舎に帰った後のことです。
これらの金銭を強く意識し始めたのは。
「意識し始めた」と言っても、「自分も欲しい。狙ってやろう。」と言うのではありません。
世間にはかなりの数の補助金や助成金といったものが存在していて、特に地方ではそれを当てにしていろいろな思惑(おもわく)が動いているのだ、ということが、周りを見わたして少しずつ分かってきたのです。
そういった、常に補助金や助成金を狙ってあれこれ工作ばかりしているという光景は、なんだかさもし見えたものです。
そういった厚かましい貰う方の意識や行動も問題ですが、その前に制度自体のあり方にもいろいろと課題が多いことにも気がついたのです。
つづく