2つの結婚披露宴―悪いことしちゃったなあ・・・遠い昔のほろ苦き思ひで―Ⅰ
【丸投げの不徳】
初めてのまともな受注に「やった!」と、喜んだとはいえ、私たちも実はどうやってリサーチすればいいのか、皆目見当もつきません。
リゾート一般の研究の方はともかく、ライバル会社のノウハウ調査の方はお手上げ状態でした。
はったりをかまして引き受けたのですから、とにかく何とかしなければなりません。
社内でさんざん検討したあげく、企業調査の方は外注に丸投げすることにしました。
つまりズルをすることにしたのです。
外注先に選んだのは、日本一のマーケティングリサーチ会社といわれていたY経済研究所でした。
企業リサーチを依頼すると、Y経済研究所の担当者は「大丈夫、任せてください!」と自信たっぷりの様子でした。
Y経済研究所の見積もりは、受注金額とほぼ同額でしたが、背に腹は代えられないので泣く泣く振り出しました。
ところが、2週間後届いたレポートはまことにお粗末なものだったのです。
事前に「こちらもプロなのだから、これこれこういったレベルのレポートだけは持ってこないでくれ。」と頼んでおいたのですが、それよりも、はるか下のレベルでした。
ただ、こちらも丸投げした後ろめたさに加え、そのときは相手が日本一のY経済研究所であることへの引け目もありました。
それで、やんわりと内容に不満足であることを伝え、リサーチはやり直しさせたのです。
しかしながら、最終的に納品されたレポートも結果は大して変わりませんでした。
天下のY経済研究所がこの程度では、もはや、外注に頼ることはできません。
仕事を丸投げしたことの不明を反省しつつ、結局は自分たちで調べ直したのです。
予算も使い切っていたので、どちらにしても外注はもう使えませんでした。
結果、頑張ってなんとか調べればわかってくるものです。
最初からこうやってりゃよかったなあ・・・と反省しつつ、自分たちで調べたデータに加えて、Y経済研究所の資料をほんのちょっぴり使ってレポートを仕上げました。
すったもんだの末、やっとの思いで納品したレポートはそれでもまあまあの評価を得たのです。
つづく