私の仕事史「マイ チャレジング デイズ」―バブルを横目に、かくもエキサイティングな日々―Ⅰ
(2)学生ビジネスとの出会いとマーケティングリサーチ
【学生ビジネス全盛:バブル前夜】
またちょうどこの頃、巷では「学生ビジネス」という奴が全盛時代でした。
慶応や立教、上智あたりの学生が、六本木のディスコに何万人人を集めて、音楽イベントをやっただのミスコンを成功させただの何だのと騒いでいました。
日本がバブルに入る前夜でしたので、なんだか世の中がザワザワして来ていて、日本中が妙に浮かれていたのです。
直接は知らない世代でも、映画やお笑いでなんとなくその雰囲気は分かると思いますが。
企業もなにかと学生連中にちやほやしていました。
大学生が肩で風切って歩ける彼らにとってはいい時代だったかもしれません。
私たちの会社は、このワイワイやっていた学生連中とも親しくしており、企業からは彼らとの橋渡し役としても重宝されました。
【マーケティングリサーチ第一歩】
ただ、私たちはどうだったかというと、彼らをサンプルとしたトレンドのリサーチや意識調査、新商品の需要調査といった、世の中の流れとはまた別な、ある意味極めて地味な仕事に踏み出していったのです。
これが、見よう見真似でいわゆる「マーケティングリサーチ」という分野に進出した第一歩でした。
そうやって提出したのは、初め小さなレポートではありましたが、少しずついろいろな企業からの評価も得ることができました。
結局その後、日本はバブル期に入っていき、あらゆるビジネスがダイナミックに動くため、マーケティングリサーチの仕事は格段に増えていきました。
とはいえ、私たちはそのバブルの喧騒を横目で見ながら、レポートを書き続けるという、わりと生真面目に愚直に生きていた気がします。
つづく