税理士に関するよくある誤解に答える―私たちの存在を正しく知っていただくために―Ⅳ
それでは、こんな時代にはどうすればいいのでしょうか。
それは、「一般領域」から「専門領域」に引き込むというベクトルを逆にしなければならない、ということです。
つまり、これまでと考え方を真逆にしなければならないのです。
自らの持つ「専門領域」から「一般領域」に向かってなにができるのかを考え、それを発信するという、これまでとは逆のベクトルで発想しなければならないのです。
なおかつ、この場合の「専門領域」はそれまでと同じものではいけません。
自らの「専門領域」を土台に「一般領域」に向かって如何なる広がりを持てるのかを考えなければならないのです。
この「広げ方」についてはいろいろあっていいと思います。
自分の得意な分野でかまいませんから、これまでの「専門領域」に何をどう付加するか、或いはどういう組み合わせにするか、を考えなければならないのです。
そんな風に「専門領域」を起爆剤に、発想を新たにして「一般領域」に対して切り込んでいかなければ、「専門領域」としてのビジネスの維持すら難しくなるだろうと思います。
「専門領域」の殻に閉じこもっていては、土台である「専門領域」すら守れなくなるのです。
これは様々な「専門領域」を持つ職種の経営者たちも、自らの「専門領域」に何を付加したら「一般領域」からの評価を得られるのか、喜んで金を出してもらえるのか、を常に考えて行かなければならないことを意味しています。
「一般領域」から「専門領域」へと引き込んでいたベクトルを、「専門領域」から「一般領域」へ何かを付加したうえで発信していくというベクトルにチェンジすることが、現代ビジネス社会においては強く望まれているのです。
おしまい