専門領域と一般領域の境界―大事だよね、退屈させない専門性の伝え方―Ⅲ(おしまい)
しかしながら、世の中の事情はかなり変わってきました。
いろいろな商売が
「そちら(顧客)からこちらの「専門領域」に入ってくれば提供しますよ。」
という立場ではなくなってきたのです。
主導権は完全に顧客側に移りました。
ほとんどの「専門領域」が、何の問題もなく周りから重宝されていた時代と違い、少々の専門性では人々は評価してくれなくなったのです。
何かもっとスペシャルなものか、価格面で相当メリット(安く)がなければ、進んで購入してくれたり、仕事を依頼してはくれなくなったのです。
理由はいろいろありますが、かつて「専門領域」でしか手にすることができない、と思っていた高いハードルが大きく下がってきたことがあげられます。
昔、パリやミラノの本店まで行かなければ手に入らなかったブランド品も、今や日本中のデパートや専門店で買えるようになりました。
それどころか、ネットで買うこともできるようになったのです。
しかも、ネットの世界では、今やただ買えるだけではなく瞬時に価格の比較までも可能になっています。
税理士もその登録数が少なく、PC(パソコン)などの道具も普及していなかった時代には希少性があり、ずいぶん重宝されたのだろうと思います。
税理士の持つ「専門性」のハードルが高かったからです。
しかし、今や時代は逆になりました。
税理士も普通のノウハウでは「他に換えの効かない高いハードル」ではなくなってきたのです。
つづく