変革と向き合うということⅠ
さて、こういうときどうするのか。
後継者である2代目3代目はより自分の考えを明確にし、推し進めるしかない。先代の考えと比較して、確信がないからと自分の考えを引っ込めてはならない。
ここが大事なところです。決して「引っ込めてはならない!」のです。
こうと決めたら(こうと決めなければならないが・・)、自らの発想により磨きをかけて、なにがなんでも押し通さなければなりません。
それには理由があります。
後継者の考えたことは、この先20年30年この仕事を続けていかなければならない、という前提で成り立っています。後継者の発想には、少なくとも「未来への予感」が必ずどこか含まれています。この感性は残念ながら先代にはあり得ません。
もうひとつの理由は、人は自分で考えたことしか実行できない、ということです。人は、自分で考え練り上げたものしかダイナミックに実行することはできません。
親に「この通りやれ」と言われてやることは、その親以上にはなり得ません。その親のレベルがそれほど高いものでなかったら、それ以下でしかない訳ですからこのシビアな現状の中ではもうお終いです。
以上のような理由によって、後継者は自らの思うところで経営するしかないのです。
「後継者は腹をくくれ」と言いたい。他人(ひと)に頼ることはできないのです。自分で考え、自分の考えたことを実行するしかない。待っていても誰も教えてはくれません。
そのための親の時代とは違う「戦略」を身につける術(すべ)を考え、果敢に実行していくしかないのです。