新入社員を迎える教育担当の心構え
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6割近い新入社員は「ずっとこの会社で働きたい」と思っている

もうすぐ新入社員が入ってくる時期になりました。社会人生活がスタートする新入社員だけではなく、彼ら彼女たちを受け入れる先輩社員や教育担当も、新たな出会いへの期待と不安が入り混じった感情を持っていることでしょう。私の経験上、ほとんどの新入社員はやる気を持って入社してきます。ただ、それ以上に不安が大きかったりすると、やる気が表面に見えなかったりするものです。
日本生産性本部の2013年度の新入社員意識調査によると、「今の会社に一生勤める」と回答した人は、前年比4.6ポイント減少ながらも55.5%となっています。6割近い新入社員は、「できればずっとこの会社で働きたい」と思っているのです。しかし、大卒者でいうと、3年で約3割が離職してしまいます。これはなぜでしょうか?
「仕事は見て覚えろ」といった姿勢はうまくいかない
新入社員本人だけの責任ではなく、受け入れ側にも問題があります。最もうまくいかないのは、「仕事は見て覚えろ」といった受け入れ側の姿勢です。過保護になるのも考えものですが、丁寧に教育する姿勢を持っていなければ、戦力になる前に辞めてしまう新入社員が続出するでしょう。
「どの会社が教育熱心か」ぐらいの情報は、すぐにわかってしまう世の中です。したがって、入社から1年ぐらいの期間は、きちんとした育成プログラムを準備しておきましょう。
新入社員のやる気を削ぐ禁句集
また、教育担当だけではなく、その他の先輩社員の影響も大きいものです。企業としては、先輩社員に対しての教育も必要不可欠です。ここでは、教育担当や先輩社員が言ってしまいがちな新入社員のやる気を削ぐ言葉を禁句集として挙げてみます。次のような言葉が出そうになったら、グッとこらえる「忍耐」も新入社員教育には必要なのです。
・「いつまで学生気分なんだ!」
・「いい加減にこれぐらいは覚えろ!」
・「何度言ったらわかるんだ!」
・「何回言わせれば気が済むんだ!」
・「おれ(私)が新入社員の時には・・・」
・「最近の若者は・・・」
・「それぐらい常識だ!」
・「とにかく言われた通りにしろ!」
・「大学(高校)で何を勉強してきたんだ!」
挙げ出すとキリがないので、これぐらいにしておきますが、言いたいのは、新入社員の甘えを許すということではありません。もしも新入社員に甘えの姿勢があるならば、厳しく叱らなければなりません。大事なことは、一時の感情から出た言葉によって、自社の将来を担っていく人材を逃す可能性があるということです。せっかく採用した新入社員を一人前に育成するためにも、緊張感を持って関わっていかなくてはなりません。
経営者と社員の生きがいづくりを支援する専門家
福留幸輔さん(生きがいラボ株式会社)
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