「老後2,000万円」では足りない時代、40代・50代会社員が持つべき“もう一つの収入源”
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2019年6月、金融庁の金融審議会が「高齢社会における資産形成・管理」と題した報告書を出しました。高齢夫婦世帯は毎月約5万円の赤字が続き、老後30年で最大2,000万円が不足するという試算です。当時は社会的に大きな議論を呼びました。物価上昇が続く2026年のいま、実質的に必要となる老後資金はさらに膨らんでいると指摘する声が増えています。もはや「2,000万円」という数字は、最低ラインというより出発点に近いのかもしれません。
では、どう備えるか。多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「投資」でしょう。新NISAの制度拡充もあり、投資への関心は確実に高まっています。しかし投資には元本割れのリスクが伴います。住宅ローンと教育費を抱える40代・50代の会社員にとって、まとまった余剰資金を投資に回す余裕がそもそもないというケースも少なくありません。
Aさん(49歳、製造業勤務)はまさにこの状況でした。年金定期便の見込み額を確認し、退職金の目安を調べ、老後の生活費を試算してみた結果、30年間で1,000万円以上が不足する見込みだとわかりました。しかし毎月の住宅ローンと子どもの学費に追われ、投資に回す原資がありません。「いったいどうすればいいのか」と途方に暮れたそうです。
ここで考えてほしいのが、「収入の柱をもう1本増やす」という発想です。大きな元手を必要とせず、自分の時間とスキルを生かして副収入をつくる方法です。
計算はシンプルです。たとえば40歳から75歳までの35年間、副業で月に5万円を稼ぎ、それを積み立て続けたとしましょう。5万円×12ヵ月×35年で2,100万円。あの「2,000万円問題」をほぼ正面から埋められる数字になります。もちろんこれは単純計算ですが、投資のように元本が減るリスクがないという点で、堅実さでは上回ります。
月5万円は非現実的な目標ではありません。週末に2〜3時間、本業で培ってきた経験を活かす仕事をすることで達成している人は実際にいます。営業職なら提案資料の作成支援やセールスコンサルティング。エンジニアならシステム設計のアドバイス。管理職経験者なら組織運営や人材育成のサポート。会社員として15年、20年と積み上げてきたスキルを必要としている人は、世の中に必ずいます。クラウドソーシングや業界コミュニティを通じて最初の仕事を見つけることは、今の時代、決して難しくありません。
副業には投資にはないもうひとつの利点があります。身につけたスキルや人脈は、定年後にもそのまま使えるということです。投資で得た利益は使えば減りますが、副業で培った「稼ぐ力」は年齢を重ねても資産のように目減りしにくい。年金だけに頼らず、自分の力で収入を得続けられる。この安心感は金額以上に大きいものです。
ただし、早く始めるほど効果は大きくなります。40代から始めれば20年で1,200万円、50代からでは10年で600万円。同じ月5万円でも、スタートが10年遅れるだけで積み立て額は半分以下になります。「もう少し落ち着いたら始めよう」と先延ばしにするほど、選択肢は着実に狭まっていくのです。
最初から月5万円を狙う必要はありません。まずは月1〜2万円の小さな副収入でも、「自分の力で本業以外から稼げた」という経験は、気持ちの余裕をまったく変えます。その成功体験が次の一歩を後押しし、半年、1年と積み重ねるなかで自然と金額は伸びていきます。
老後に備える方法は「貯める」だけではありません。収入の柱をもう1本、小さく立ててみる。それが、住宅ローンと教育費を抱えながらも動ける、2026年の会社員にとって最も現実的な選択肢のひとつではないでしょうか。
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