18℃未満の室温で生活すると危険!?寒い部屋は死亡率が増加!!
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■18℃未満の部屋で生活していると死亡率が増加!!
冬季(11月~3月)の死亡者は、寒冷な地域よりも温暖な地域の方が増加しているというデータを、2020年1月に慶應義塾大学理工学部伊香賀俊治教授が「良好な温熱環境による健康生活ハンドブック ~適切な温度で健康住宅~」
で報告しています。死亡者の死因は、6割が心臓、脳や呼吸器疾患です。冬季の死亡増加率は、全国平均が17.5%です。
都道府県別にみると、
1位 栃木県 25.0%
2位 茨城県 23.5%
3位 山梨県 23.3%
4位 愛媛県 23.0%
5位 三重県 22.8%
6位 鹿児島県 21.6%
7位 静岡県 21.5%
と続きます。一方、寒冷地である青森県は46位の10.8%、北海道は47位10.3%となっています。この差は、寒さ対策の認識や断熱住宅の普及が原因だと思われます。
NHK『クローズアップ現代』の2023年1月17日放送「実は危ない!ニッポンの寒すぎる住まい」では、日本の家が寒すぎる事を紹介しています。
都道府県別の室温を低い順に見ると、
1.香川県 13.1℃
2.大分県 14.9℃
2.福島県 14.9℃
4.栃木県 15.1℃
5.鳥取県 15.6℃
6.宮城県 15.7℃
以下、16度台も熊本県、鹿児島県、奈良県、愛知県、兵庫県、山口県、大阪府となっています。東京都は17.1℃です。日本人は、寒い部屋で生活している人が多いというデータです。WHO(世界保健機構)では、18℃未満での生活に警鐘を鳴らしています。18℃未満の都府県は、19あります。日本国民の約4割が対象です。
私の母校である青森県立弘前高校に通学時代、住んでいたアパート前の空き地で、映画『八甲田山』の撮影をしていました。『八甲田山』は、新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』をもとに、八甲田雪中行軍遭難事件を題材に扱った1977年公開の日本映画です。冬山での行軍演習中に、寒さで精神が破壊され、凍死していく様を描いています。氷点下になる地域では、寒さの怖さを知っていますので、冬は暖かい部屋で過ごします。温暖な地域の方は、寒さの怖さを知らないのだろうと思います。
体が冷える環境に長時間身をさらしていると、様々な病気を誘発します。体を冷やす事により発病する疾患名は数えきれない程あげられます。体温の低下を防ぐために血圧は上昇しますが、長期間に及ぶと脳にまで障害が及びます。暖房や住環境整備の必要性は大です。
また、日当たりの悪い部屋での生活は、健康に影響します。
詳しくは、JIJICO内にある下記コラムを参照戴たく思います。
日当たりの悪い寝室で寝ていると体調不良になる?理想的な寝室の環境とは!?
■室温は部屋の場所によって異なる?床面の温度に要注意!
冬の室温は、活動時は19~21℃、食事時は22~25℃、安静時は26~28℃が適当だと考えています。
WHOは、室温によって誘発される障害を喚起しています。
18℃未満 血圧上昇 循環器障害
16℃未満 呼吸器系疾患
5℃ 低体温症
上記状態を回避するために、遮断性が高い住宅への転換を勧告しています。遮断性が高い住宅は、室温が均等です。北海道の普及率は84%ですが、栃木県は23%です。西日本は、さらに低い傾向にあります。全国平均は23.9%ですので、寒い住宅が多いのも頷けるところです。
遮断性の低い住宅では、床面や壁面の温度が低くなっています。遮断性が低い部屋では、寒さ対策が必要です。室温が高くても、床面、壁面や窓側、天井の冷気が影響します。
足元から1mの室温が16℃以下で生活している場合、下記症状が増加しています。
糖尿病 1.6倍
高血圧 1.5倍
聞こえにくい 1.3倍
また、怪我をする確率も増え、
骨折・脱臼・捻挫 1.65倍
となっています。床暖房やサーキュレータを活用して、室温が均等になる工夫が必要です。但し、暖房器具の上に直接座る生活は好ましくありません。
寒い部屋や低体温の対策は、JIJICO内にある下記コラムをご参照戴きたく思います。
ホットカーペットの上で寝ると体力が低下!!体を温めているつもりが実は冷えの原因?
北向きの部屋にいると病気になりやすい?日当たりの確保が病気回復には大切!?
■冬と夏の室内温度差が大きいと血圧が高くなる?
寒い部屋で生活していると高血圧になりやすいですが、1年間を通じて寒暖差が大きい部屋で暮らす事も、血圧が高くなる要因です。反対に、夏と冬の室温差が4℃程度であれば、血圧は安定するようです。夏場でもカラッとした日であれば32℃程度は快適です。冬の居室は28℃であれば、ゆったりとした服装で過ごせます。この温度差が、4℃です。厚生労働省は、夏のクーラー使用に対し28℃を推奨しています。一年を通じた温度差が4℃であれば安定した血圧維持につながるとされていますので、冬の室温は24℃が望ましい事になります。
以上の事を勘案すると、体温維持に負担のかからない室温は、
夏季 28℃~32℃
冬季 24℃~28℃
と言えます。但し、住環境や湿度等により、体感温度は異なります。暖房器具の種類によっても、快適さに違いが出ます。あくまでも目安と言えますが、冬に活動時19~21℃、食事時22~25℃、安静時26~28℃の室温で過ごす事は、血圧の安定に繋がりますので、高血圧の人は室温を検討してみてはいかがでしょうか。
夏の室温については、JIJICO内にある下記コラムをご参照戴きたく思います。
低体温の人は暑がり?クーラーの中で生活する本当の怖さとは?
就寝中のクーラーは体調不良を引き起こす?体温低下が招く危険性とは
■体温上昇に鍼灸治療は有効です
寒い部屋で生活していると、身体に力が入らなくなり、精神活動が低下してきます。長期化すると、腰部や後頭部に痛みや重だるさが出て来ます。体温維持が困難な場所で生活・労働していると、循環器や呼吸器の疾患を生じるようになります。薬物治療(内科治療)で効果を得られない人や外科手術(外科治療)をしても症状が消失しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試し戴きたく思います。体温が低い人に灸治療は特に有効です。鍼灸治療は、身体の外側から内臓機能に働きかける事が可能な「内外科治療」です。お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療機関にご相談ください。
また、骨折・脱臼・捻挫には、柔道整復治療(内外科治療)が有効です。けがをしたら6時間以内の処置が望まれます。お近くの接骨院・整骨院をご利用戴きたく思います。外傷に対する詳しいことは、JIJICO内にある下記コラムをご覧戴きたく思います。
骨が折れたなと思ったらすべき事は何か 冷やし過ぎは良くない?
脱臼した時に関節を自分で戻すのは危険 もし骨折を伴っていたらどうなる?
捻挫は放置しても治らない 有効な治療方法は?
打撲をしたら最初にするべきことは? 冷やすだけで治るのか
肉離れって何?筋肉は切れたら元に戻るの
体温上昇や病気回復に、運動法や呼吸法が有効です。ヨガ(YOGA)をご希望の人は、清野メディカルヨーガ
もしくはお近くのヨガ教室にご相談頂きたく思います。
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