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  1. 逃れたくて辞めたいとき、退職前に確認すべきことは?

逃れたくて辞めたいとき、退職前に確認すべきことは?

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転職は珍しくなくなってきたが一時の感情で退職することはリスクも伴う

働いている中で、辞めたいと思うことは誰にでもあることです。アドラー心理学では、人の悩みはすべて人間関係の悩みであると言われていますが、退職理由の一番にあがるのもやはり人間関係です。もちろん、夢や目標があり、前向きに一歩を踏み出して退職する場合もありますが、「上司や先輩と折り合いが悪い」「お客様の苦情応対がつらい」など何かから逃れたいと思ったときに、退職の二文字が頭をよぎることの方が多いのかもしれません。

これまで日本では一つの職場で定年まで勤め上げる終身雇用が広く受け入れられてきましたが、近年ではキャリアアップなどを目指して転職することも珍しくはなくなってきました。できることなら慣れ親しんだ職場で長く勤めたいと思うこと自体は、決して悪いことではありません。ただ、もしもメンタルヘルス不全に陥り働くことができなくなるくらいなら、その前に思い切って退職することも選択肢の一つと言えるでしょう。

大切なことは、それが自分の将来につながる選択かどうか、より良い選択肢を増やして比較検討し、自分で選んで決めることができることです。感情的になり、勢いで思い立って退職することにはリスクも伴います。

それでは、逃れたくて辞めたいとき、退職前に確認すべきことは何でしょうか。

退職したいと思う本当の理由と向き合うことが大切

まず、自分自身と向き合い、本当はなぜ退職したいと思っているのか、よく考えて整理することです。なぜなら、本当の理由に気付くことが、選択肢を増やして比較検討することの第一歩だからです。何かから逃れたい、つらくて、しんどい状況の中では、人はとかく視野が狭くなり、判断も偏りがちになります。自分のことを知ることなくして、バランスを取ったり、折り合いをつけたりすることは難しいでしょう。

例えば、「会社の方針や考えが合わない」という退職理由が浮かんだときに、その本当の理由は何でしょうか。もしかしたら、会社というより「上司と合わない」だけかもしれません。「自分にふさわしい仕事がもっと他にあるはず」という退職理由も、もしかしたら本当は「仕事のマンネリ」や「ノルマの壁」を打破できない自分自身を受け入れられないだけかもしれません。だとすると、退職以外の選択肢もあがってくるかもしれません。

また、退職という選択をするにしても、本当の退職理由に気付くことは、転職活動における条件や、次の職場で働くときに大切にしたいことを整理する上でも役立ちます。

退職したいと思う理由や、今の職場で不満に感じていることなどを、実際に休日など時間がとれるときに紙に書き出してみることは、自分の考えや気持ちの整理につながります。

職場に相談してみることを忘れない

少子高齢化が進み労働人口が減少に転じ、売り手市場といわれる昨今、すでに一緒に働いている仲間こそ財産と考える会社も少なくありません。

私の経験上、何かから逃れたいと思い退職を考えている場合は、職場に相談することなくすぐに退職届を出してしまうケースも多々あります。それは、一社員の希望や要望に、会社が耳を傾けてくれるハズがないという思い込みがあるからです。

会社側にもできることと、できないことがありますが、それで社員が退職してしまうなら、社員の悩みに耳を傾け、会社ができることであれば検討したり、配慮したりしてもらえるケースもあります。

退職する選択をするなら、ダメもとでも、自分が抱えている悩みを一度は職場に相談してみることも必要です。

複数の選択肢を持ち、比較検討する

いったんもう嫌だと思ったら、すぐにでも退職したくなるのが人です。ただ、すぐに退職してしまうことは、経済的にも、精神的にも、大きなリスクを伴います。十分な蓄えがあれば話は別ですが、そうでなければ、貯金を切り崩しながら就職活動をすることもまた苦労をともなう大変なことです。

退職という考えが浮かんだときに、最低でも三つの選択肢が考えられます。それは「すぐに退職する」「転職活動をして、転職先が決まってから退職する」「自分が変り成長することで、今の職場でもう少し頑張ってみる」です。ぜひ、それぞれの選択肢のメリット・デメリットについて考えてみるようにしましょう。

wantの選択をする

たとえ同じ選択をしたとしても、どのように選んで決めるかも重要です。

例えば、「言ってもムダだし、もう退職しかない」というのは、そうするしかないhave toの選択です。しっかり自分と向き合い、冷静に分析していく中で、「自分の将来のために、今度は○○で頑張ろう」と思えるなら、それは自分からそうしたいwantの選択になります。そうすれば、「今の職場の仕事も、次の職場で活かせる大切な経験」と思えるかもしれません。やむを得ず、そうするしかない選択は、上手くいかないときに、まわりの人や環境のせいにしてしまいます。自分の将来のためにそうしたいと受け入れることができ、自分で選んで決めることができた選択は、エネルギー源の質も違いますし、自分の選択に自分で責任を持てることが大切です。

退職することを決めて、転職した方が良いかどうかは、とても勇気のいる意思決定です。転職してから、「辞めなきゃよかった」「外に出て初めてその職場の良さがわかった」と後悔することがないよう、その先の成功は、どれだけ自分と向き合い、冷静に分析できるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。

「どこで働くか」も大切ですが、「どのように働くかも」大切です。自分の将来につながる選択を自分で決めることができるよう、日頃から自分にとってより良い選択肢を増やして考えることを意識しましょう。

折山旭

働く人と組織を活き活きと輝かせるプロ

折山旭さん(信州ライフキャリア研究所)

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