糖分多い飲料に20%以上課税をWHO呼びかけ 糖尿病などを減らすため
WHOが加糖飲料に課税をと呼びかけたワケ
『加糖飲料に課税』このテーマに関しては以前にも取り上げたことがありますが、いよいよアメリカだけでなくWHO(世界保健機関)までもが動き出しました。
WHO=世界保健機関は先日、糖分が多い清涼飲料水に20%以上の課税をすれば、肥満や糖尿病を減らせるとする報告書を発表し注目を集めました。
アメリカの動きもそうですが、WHOまでが、糖分を大量に含んでいる食品が他にもたくさんある中で、なぜ加糖飲料にだけ課税をするということを取り上げたのか?
単純に疑問に思うかもしれません。
これはカテゴリーによっては課税対象を絞ることが難しい、飲料だけに区切ったほうが課税し易いという制度的な部分もあると思いますが、加糖飲料に的を絞るということは、肥満や糖尿病の原因の1つとしてこのような飲料がカラダに与える影響が他のものに比べると大きいとWHOも判断したからではないかと思います。
ここまで糖分摂取にたいして警告が発せられるのは、やはり肥満の数と糖尿病患者数の増加が大きいと思います。
世界的に増え続ける肥満と糖尿病患者
肥満に関しては、日本は平成15年からは男性は横ばい、女性はやや減少傾向にあるのですが、世界的には肥満はまだまだ増えています。
1980年からの30年で肥満の数は世界で2.5倍に増えています。
肥満はもちろんですが、糖尿病の増加はもっと深刻です。
日本国内での糖尿病患者の数ですが、厚生労働省が3年に一度実施している患者調査によると平成26年で総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は約316万人に上り、前回調査よりも46万人も増加しています。
さらに世界ではもっと大変なことになっています。2014年現在で糖尿病人口は3億8670人に上り、有効な対策を施さないと、2035年までに5億9190万人に増加すると予想されています。
WHOの発表が糖分過剰摂取に対する警鐘になることを期待
肥満も糖尿病も生活習慣病であり、国内だけを考えても膨れ上がる医療費の大きな原因になっています。
もちろん食べすぎや糖分過剰摂取だけが糖尿病の原因ではないので、一概には言えませんが、一部の方を除き、多くの糖尿病患者が食事や運動の生活習慣に問題を持っていることが多いので、今回のWHOの発表は糖尿病予備群の習慣を変えるきっかけになるのではないかと考えます。
それと同時に本格的に課税が検討され始めれば、食品メーカーも課税対象にならないように様々な企業努力で健康的な食品が開発される可能性も高くなります。
日本はもともと調味料として砂糖を使用する頻度が高い国です。
欧米に比べるとデザートや菓子類を食べてしまうとどうしても砂糖摂取量がオーバーしてしまいやすいので、そのような食習慣も視野に入れて砂糖の摂取に気を配ることが大切でしょう。
いくら加糖飲料が課税されて摂取量が減っても糖分を他のところで摂取してしまっては課税した目的が達成されません。
食習慣全体を見直すことがやはり大切ですので、普段から摂取している飲食の内容を今一度見直して見ましょう。
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