リスクが潜む発泡酒、第三のビールの「カロリーゼロ・プリン体ゼロ」
発泡酒や第三のビールにはさまざまな添加物が使用されている
猛暑の中、仕事明けに冷えたビールを飲むのが楽しみという人も多いのではないでしょうか。しかし、ビールといえば糖質やプリン体など、ダイエットや尿酸値が気になる人にとっては警戒してしまう成分が含まれています。そんな人たちから支持を得ているのが、「糖質ゼロ」や「プリン体ゼロ」といったような機能性ビールです。しかし、こうしたビールにデメリットはないのでしょうか。
そもそも、機能性ビールの大半は、発泡酒や第三のビールと呼ばれるジャンルの飲料です。発泡酒は、酒税を抑えるために麦芽の使用率をビールに比べて低くしてあります。これにより、低価格で市場に出されていますが、麦芽の使用率が少ないため、ビールに比べてどうしても味わいに物足りなさが出てしまいます。実はそれを補うため、さまざまな添加物が使われています。
リスクがあるということも認識しておく必要がある
ビールにはこうした添加物は使えず、発泡酒であれば通常の飲料と変わりなく添加物が使えます。「発泡酒」表記のあるビールのラベルをよく読んでみると、「香料」「甘味料」「苦味料」「酸味料」「カラメル色素」などの複数の添加物を認めることができます。そして、第三のビールは麦芽を全く使用せず、エンドウ豆、大豆、トウモロコシなどを原料としているため、ビールの風味をつけるために同じく添加物が使われています。
もちろん、添加物の安全基準については、国で定められた種類を、定められた量の範囲内で使用しています。しかし、その安全基準はあくまでも動物実験での結果に基づいていることや、複数の添加物を摂取した時の人体への影響は未知の部分が多いというのが現実です。すぐにハッキリと病気や症状として表れなくても、体調不良につながる可能性も否定できません。風味が向上したり、香りが良くなったりという利点を享受している一方で、こうしたリスクがあるということも認識しておく必要があります。
目的を持って主体的に食品を選択する習慣を
もう一つ心配なのが、「ゼロ」「オフ」といった表示に安心し、ついつい飲み過ぎてしまうことです。アルコールには食欲増進作用があるため、つまみを食べ過ぎて結局エネルギー、糖質、プリン体などをとり過ぎてしまうこともあります。飲むお酒の種類や量だけでなく、一緒に食べるつまみの中身にも配慮しましょう。
つまみとしてはサラダ、漬け物、枝豆、冷奴などが、ぜひとも頼みたいオススメの一品です。健康的な食生活の原則は「なるべく自然なものをとること」です。不自然に成分に手を加えた物、自然の原料で余分なものが入っていないものを適量楽しむ方が健康的ですし、何より本来の美味しさが味わえて心も豊かな気持ちになります。機能性ビールはダイエット期間中にどうしてもビールを飲みたい時や、医師からプリン体の多いものを控えるように言われている時などに活用するのが、賢い選択です。むやみにカロリーや糖質が低いものをチョイスするのではなく、目的を持って主体的に食品を選択する習慣を身につけましょう。
ファスティングを通して予防医学を伝える管理栄養士
圓尾和紀さん( )
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