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残業禁止、形骸化させないポイントは

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「カゴメ」が午後8時以降の残業を原則禁止へ。狙いは?

残業禁止、形骸化させないポイントは

先日、大手食品会社「カゴメ」が、午後8時以降の残業を原則禁止とする制度を導入しました。目的は、長時間労働を防止し、仕事の効率を上げるように従業員の意識改革を促すことです。その他にも「残業禁止」を打ち出す企業が多く見られるようですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?

日本人の労働時間が他の先進国に比べて長いことは有名です。企業が残業を禁止することで労働時間が強制的に削減され、従業員にとってはプライベートの時間がより確保されることになります。そして、メンタルヘルスの向上や過労死防止の効果も期待されます。また、企業側においても、時間外手当を支払わなくて済み、人件費のコストダウンが見込まれます。

残業禁止を導入するにあたって押さえておきたいポイントがありますので、いくつか紹介します。

残業禁止制度を周知徹底し、仕事の割り振りも工夫

ただ単に「残業禁止」と命じても、従業員が勝手に残業してしまうといったことも想定されます。判例によれば、「残業禁止の周知徹底」「残務がある場合は役職者に引き継ぐこと」を満たしている場合には、従業員が勝手に残業をしても手当を支払わなくても良いとの判断がなされました。言い換えれば、これに当てはまらなければ、企業に残業手当支給の義務があるということになります。中途半端では駄目なのです。実際、労働基準監督署へ「従業員が勝手に残業をして困っている」と訴えたところ、「業務命令違反で処分したのか?」などと言われ門前払いされてしまったケースもあります。従業員の勝手な残業でも、社内制度をきちんと整備していなければ、残業代を不支給にすることは難しいようです。

従業員に対し、客観的に通常業務時間内に終わらない量の仕事を与えている場合には、いくら残業禁止を謳ったところで「黙示の残業指示」があったものとみなされ、残業代を支払わなければなりません。従業員への仕事の割り振りも工夫する必要があります。

成果で評価する人事評価制度を作り、職場に馴染むかどうか検討を

残業禁止になれば、当然、残業代も無くなります。サラリーマンの月収に占める残業代は決して少なくはありません。仕事を時間ではなく成果で評価する人事評価制度を作り、きちんと給与に反映させていかなければ、単に従業員の手取額が減るだけとなってしまいます。従業員のやる気を削ぎ効率が落ちてしまっては、結果的に企業の業績も低下してしまい本末転倒です。

仕事量が同じで残業を禁止するということは、仕事効率を上げるか、人数を増やすということになります。前者は限界があるので、それで足りない分は後者で補わざるを得ないでしょう。ただ、単純作業や個人プレーで片付く仕事ならば人数を増やすことで処理することができますが、仕事の多くはチームプレーです。チームでプロジェクトを進める場合、特定少数の人員が集中して作業した方が効率は上がります(もちろん、一年中、残業尽くしで過重労働というのは問題ですが)。職場に「残業禁止」が馴染むかどうか、よく考えてから導入する必要があるでしょう。

過度な長時間労働は危険で放っておけない問題ですが、実際問題として残業なしでは回らない個々の職場事情もあります。「仕事は時間ではなく成果だ」という考えが広まり、それぞれの能力とライフスタイルに合わせたフレキシブルな働き方ができる社会が望まれます。

人事労務コンサルティングの専門家

大竹光明さん(社会保険労務士法人大竹事務所)

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