自閉症に対する無理解が引き起こした悲劇 「彼女の名はサビーヌ」
最近読んだ小説がとても印象に残りました。
登場人物は
発達障害の特性を持つであろうといわれる沢田翔太くん(小学2年)とその両親。両親は翔太君について「発達障害」という診断をされることが、他と違う「障害児」であるということに直結してしまい受け入れることに困惑しています。そしてその担任の鈴木先生と、同じ学年主任の松田先生。鈴木先生は沢田くんに理解を示すのですが、松田先生は「こんな子は甘やかしてはいけない、ガツンとやらなければいけないんだ」という考え方の先生です。
そして同時並行的にもう一つの「ストーリーが展開していきます。それは窪島修一さんという成人で、彼は「自閉症スペクトラム」の診断を受けています。彼も苦労しながらも何とか就職を果たすのですが、上手く周囲と行かず事件を起こして退職を余儀なくされます。現在は新しい会社でジョブコーチ(幼馴染の女性)に見守られながら頑張ってはいるのですが、残念ながら理解不足の周囲の人達に苦しめられ再び孤立してしまいます。
この二つのストーリーは「発達障害児」と「成人の発達障害者」の典型例なのでしょうが、考えてみれば「発達障害児」はいずれ「発達障害者」に成長するわけですから、すべて連続した一つのライフストーリーとして理解できます。
最近の特別支援教育については、とても目覚ましい展開を見せて、「発達障害」と言う言葉もかなり定着してきましたが、実のところ学校を卒業した後の成人の生活の方がずっと時間的には長いのです。ですから教育だけでなく、社会として「発達障害者」の問題をどう理解し、彼らの人並み優れた特性を生かし、その困難さを克服させる体制を築いていくか、さらにどう社会資源として活用するか、今後考えなければいけない喫緊の課題だと思うのです。
しかし残念ながら、教育の中での取り組みが上手く社会と連続できていないのが現状でしょう。
もちろんそのために専門家がさまざまな取り組みをしてはいるのですが、どちらかと言うとまだまだ「大人の発達障害」の問題は問題点だらけだと言えるかもしれませんね。
さまざまなことを考えさせられた小説でした。
興味のある方はゼヒ!
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