大切なことは絵本から学んだ ④ 「ムーミンのともだち」
“どこかで よぶ声が しました。
でも 見まわしても だれもいません
すると また よぶ声がしました。
こんどは ずっと すぐ近く です。”
だれかが、わたしを呼んでいます。声しか聞こえません。姿は見えないのです。
でも、たしかにその声はわたしを呼んでいます。その声は自分にしか聞こえないのかもしれませんが。
きっとそれは自分のこころの中の、もうひとりの自分が呼びかけている声なのでしょう。
といっても変な声ではありませんよ。
自分が、自分に気がついてほしいときに聞こえてくる声なのでしょう。
大人になると、いろいろ「やらねばならないこと」「するべきこと」に追いかけられて本当の自分を見失うことが良くあります。
「それは、本当に自分がしたいことなのだろうか?」「本当に自分がやりたいことは何なんだろう?」
もう一人の自分が、自分の姿を見失った自分に声をかけてきます。
“「いっしょに ゆこう」
すがたの見えない 声が いいました。
「いっしょに さがしにゆこう」
「きみの だいじなものを さがしにゆこう」
すがたの見えない 声は いいました
「きみの たいせつなものを さがしにゆこう」”
さぁ、もうひとりのあなたが、呼びかけていますよ。
もし、今の自分にとって本当に大切なものは何か、
わからなくなったら、
この絵本を読み返してみてはどうでしょうか?
本当に素敵な大人の絵本です。
絵本の最後は次のようなフレーズで締めくくられます。
“夏が来て 秋が来て 冬が来て 春が来て
そして 百年が すぎて
きょうも しずかな 森の中
どこかで よぶ声が します
―だいじなものは 何ですか?
―たいせつなものは 何ですか?”
読んでくださってありがとう
◇◆◇ こんな素敵な絵本も ◇◆◇
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