【風俗トラブル・女性用風俗】女性用風俗の予約をキャンセルしたら、高額なキャンセル料を求められた?
本記事は、2026年11月時点の法令(性的姿態撮影等処罰法、拘禁刑の導入後の刑法など)を前提に、一般的な考え方を整理したものです。実際の対応は、店の業態や撮影の有無、残っている記録によって変わります。
風俗店のプレイルームやホテルの客室で、キャストや店のスタッフから「今、撮っていたでしょう」と言われると、多くの方は動揺し、その場を早く収めることばかりを考えてしまいます。しかし、盗撮を疑われた直後の行動は、その後の店との話し合いにも、刑事手続に進んだ場合の扱いにも影響することがあります。
本記事では、店内で盗撮を疑われた場面を状況ごとに分け、「やるべきこと」と「避けたいこと」を判断表にまとめました。実際には撮影していない場合、誤作動など意図しない撮影の可能性がある場合、撮影してしまった場合とで、とるべき対応は同じではありません。ご自身がどの状況にあたるかを確かめながらお読みください。
店内での盗撮の疑いで問題になり得る罪
性的な部位や下着、わいせつな行為をしている姿などを、相手に気づかれないように撮影する行為は、性的姿態撮影等処罰法の撮影罪(同法2条)にあたる可能性があります。法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、撮影が未遂に終わった場合も処罰の対象とされています。このほか、事情によっては各都道府県の迷惑防止条例や、刑法の建造物侵入罪が問題とされることもあります。
一方で、店から「盗撮だ」と言われたことと、法律上の撮影罪が成立することは同じではありません。撮影していない、性的な姿態が写っていない、カメラが意図せず起動していただけ、といった事情があれば、評価は大きく変わります。疑われた直後こそ、この区別を自分の中で保っておくことが大切です。
罪の構造については撮影罪は何を禁じているのか|条文の構造を風俗の場面で読むで、未遂の扱いについては撮影できていなくても逮捕?盗撮の未遂・建造物侵入罪のリスクで詳しく解説しています。
状況別の判断表
店内で盗撮を疑われた場面でよく見られる状況と、それぞれで意識したい対応を表にまとめました。一つの場面に複数の状況が重なることも多いため、当てはまる行をすべて確認してください。
| 状況 | やるべきこと | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 撮影していないのに疑われた | 撮影していない事実と、スマホを置いていた位置や使っていた目的を落ち着いて説明する | 声を荒らげて否定し続ける、相手の体や持ち物に触れて制止する |
| カメラの誤作動など意図しない撮影の可能性がある | 撮影の意図がなかったことと、起動していた経緯を具体的に伝える | 疑いを晴らすつもりで、その場でデータを消す |
| 実際に撮影してしまった | 端末をそれ以上操作せず、事実を整理して早めに弁護士に相談する | データの削除や端末の初期化、その場からの逃走 |
| 「スマホを見せろ」と言われた | 見せる範囲を自分で決め、画面は自分の手で持って示す | ロックを解除した端末を預ける、パスコードを伝える |
| 身分証の提示や撮影を求められた | 求められている理由を確かめ、提示にとどめられないかを考える | 免許証や保険証を撮影させる、家族や勤務先の連絡先まで書く |
| 示談書・念書への署名を求められた | 内容を持ち帰って検討したいと伝え、書面の写しを求める | 金額や条項を読まないまま署名する |
| 「今払えば終わる」と言われた | その場では支払いを決めず、相手の名前と請求の内容を控える | 現金を引き出しに行く、個人名義の口座に振り込む |
| 「警察を呼ぶ」と言われた・警察が来た | 警察の求めには落ち着いて応じ、弁護士に相談したい旨を伝える | 事実と違う内容の供述調書に署名する |
| 帰宅後も店から連絡が続いている | やり取りを保存し、連絡の窓口を一本化する | 一人で何度も交渉に応じる、深夜の呼び出しに出向く |
以下では、表の各行について、判断の理由を補足します。
撮影していない・意図していなかった場合
事実を短く具体的に伝える
撮影していないのであれば、そのことを落ち着いて伝えるのが基本です。「スマホは時間を確認するために枕元に置いていた」「通知を見ただけで、カメラは起動していない」のように、何をしていたのかを具体的に説明するほうが、強い言葉で否定を重ねるよりも誤解は解けやすくなります。相手の腕をつかむ、スマホを取り返そうとするなど、身体に触れる行動は、別のトラブルの火種になるおそれがあるため控えたいところです。
その場でデータを消さない
疑いを晴らすつもりで写真や動画を削除すると、後から見たときに「都合の悪いデータを消した」と受け取られることがあります。削除したデータが解析によって復元される場合もあり、消したという事実がかえって不利な事情として扱われるおそれもあります。実際に、カメラの誤作動が疑いのきっかけになった事案でも、データを残したまま経緯を説明したことが誤解を解く手がかりになっています(【解決事例】性風俗店での誤作動による盗撮トラブル|弁護士の付き添い交渉で誤解を解き事件化を阻止した事例)。削除の影響については撮影データを消してしまった|証拠隠滅と復元の実際もご覧ください。
実際に撮影してしまった場合
撮影してしまった場合に避けたいのは、データの削除と、その場から立ち去ることです。予約の際に名前や電話番号を伝えていることが多く、逃げたとしても特定される可能性は残ります。逃走や証拠を消す行動は、逮捕や身体拘束の必要性を判断する際の事情として考慮されることがあります。
また、盗撮の被害を受けたのはキャスト本人です。店に金銭を支払っても、キャスト本人との合意がなければ、後から被害届が出される可能性は残ります。誰と、どのような内容で合意するのかを整理するためにも、早い段階で弁護士に相談し、刑事手続の見通しと示談の進め方をあわせて検討することをおすすめします。店から警察への相談をほのめかされている場合は、【風俗トラブル】店から「警察に行く」と言われた翌日にすること|被害届が出る前の時間も参考になります。
スマホ・身分証・所持品を求められたとき
店のスタッフには捜査の権限がなく、スマホの中身を見せるかどうかは、法律上はご本人が判断することです。ただ、頑なに拒むと話し合いがこじれる場面もあるため、見せる場合は、直近の撮影フォルダなど範囲を限り、画面を自分の手で持ったまま示す方法が考えられます。ロックを解除した端末を手渡すと、撮影とは関係のない連絡先や写真まで見られるおそれがあります。
警察から求められた場合も、令状がない段階では、多くは任意での提出やロック解除のお願いという形をとります。応じるかどうかで見通しが変わることもあるため、迷うときは弁護士に相談したうえで判断するのが安全です(盗撮でスマホを見せろと言われた|任意提出とロック解除)。
身分証については、提示して見せることと、写真を撮らせることでは、相手の手元に残る情報が大きく異なります(身分証の提示・撮影を求められた場合|応じる義務と拒否の帰結)。なお、撮影の現場を押さえられた場合、私人でも現行犯人を逮捕できる仕組みはありますが(刑事訴訟法213条)、その場合も直ちに警察へ引き渡すことが前提です。店が財布やスマホを預かり続けたり、支払いを条件に返すと告げたりすることまで認められているわけではありません(【風俗トラブル】財布やスマホを店に預けさせられた|所持品を返してもらう方法)。
示談書への署名・その場での支払いを求められたとき
店が用意した示談書や念書には、高額な金額のほか、清算の範囲があいまいな条項や、キャスト本人の意思が確認できない条項が含まれていることがあります。署名を求められたら、内容を持ち帰って検討したいと伝え、少なくとも書面の写真を残しておくことが大切です。署名や支払いの前に確認しておきたい点は店が用意した示談書にサインする危険性|宥恕条項・清算条項の落とし穴にまとめています。
「今すぐ払えばこの場で終わる」と迫られても、その場で支払ったことで刑事手続が止まるとは限らず、後日、別の名目で追加の請求を受ける例もあります(【風俗トラブル】「今すぐ払えばこの場で終わる」と言われた|即時払いを求められたときの判断)。威圧されて署名してしまった場合でも、後から効力を争う余地が残ることはありますが、署名する前に立ち止まるほうが選べる手立ては多く残ります(脅されて署名した念書・示談書は有効か|「無効」と「取消し」の違い)。
警察を呼ぶと言われた・警察が来たとき
「警察を呼ぶ」と言われると、強い不安を感じるのは自然なことです。ただ、警察が関わることで、店との密室での話し合いから離れられる面もあります。警察の求めには落ち着いて応じつつ、弁護士に相談したい旨を伝えてかまいません。
取調べでは黙秘権が保障されており、作成された供述調書は内容を確認したうえで、事実と違う部分があれば訂正を求めることができます。納得できない調書に署名押印する義務はありません。取調べの注意点は「認める調書」を作られないために|風俗トラブルの取調べ対応の注意点で解説しています。
後のために残しておきたい記録
疑いをかけられた場面の記録は、撮影していないことを説明する場面でも、示談の条件を見直す場面でも手がかりになります。記憶が新しいうちに、次のような事項を書き留めておくとよいでしょう。
- 店名、利用した日時、部屋やホテルの名称。
- スマホを置いていた位置と、そのとき使っていた機能。
- 対応した店のスタッフの名前や特徴と、言われた言葉。
- 求められた金額、示された書面の内容、支払った金額。
- 見せたデータの範囲と、預けた物や撮影された身分証の有無。
やり取りの録音を残す場合の考え方は録音はどこまで証拠になるか|風俗トラブルでの残し方を、状況別に店内でどこまで応じるかの整理は撮影に気づかれた直後の店内対応|その場で求められることと応じる範囲をご覧ください。
弁護士に相談するタイミング
店内で盗撮を疑われた場面では、その場で示談書への署名や支払いを決めるよう迫られることが少なくありません。撮影していない場合は誤解を解く方法を、撮影してしまった場合は刑事手続の見通しと示談の相手方を、それぞれ早い段階で整理しておくことが大切です。弁護士が窓口になれば、店やキャストとのやり取りを任せながら、ご自身は事実の整理に集中することができます。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


