マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
1,「正月」とは、豊作や子孫繁栄などをもたらして下さる「歳神様」をお迎えし、おもてなしをして、お見送りをする一連の行事です。
従って「明けまして(新年)おめでとうございます」には歳神様への歓迎の意味や、お礼の気持ちや、お願いが込められています。
2,節分は立春、立夏、立秋、立冬の前日で、季節を分ける意味があります。
厳しい冬から花咲く春、そして一年のスタートに当たる春の節分には特に重きがおかれたようですが、冬でもない、春でもない節分はとても不安定な日です。
そこに向けて鬼(様々な邪気「病気・天災・飢餓など」)がやってくるわけです。
穀物には邪気を払う効果があるといわれ、中でも豆が、便利が良かったので鬼が嫌がる火で炒った豆を撒いたといわれています。
鰯の頭や柊の葉も良く効くといわれています。
※立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間は「土用」です。土用丑の日といいますね。
3,お中元やお歳暮、長寿祝い、子どもの成長を祝う贈り物は「お返し」は不要とされています。
この場合は礼状を出すのがお勧めですが、どうしてもお返しがしたいとなれば、旅行先などから土地の土産などを贈る手もあります。
ただ厳格な決まりはないので、最終的にはご自身で決められたらいいと思います。
※お中元とお歳暮はお歳暮が格上になります。予算の都合でどちらかをやめる場合は、お中元をやめ、お歳暮を残します。
ちなみにいずれも一過性ではなく、継続性のあるものです。
4,年間の節目で「節句」「節供」と書きます。
節目の日に特別な食べ物をお供えして、神様やご先祖の霊を祀り、その食べ物をみんなで分け合って食し、神様とより仲良くなり、多くの願い事を聞いていただくわけです。
そして年間において節供は多く存在しましたが、江戸幕府が1月7日の「人日」、3月3日「上巳」、5月5日「端午」、7月7日「七夕」、9月9日「重陽」の5つを「五節句」と定め、現在に至ります。
縁起の良い奇数(陽の数)の最大値である「9」が重なる、9月9日の「重陽の節句」が一番格式が高いといわれています。
旧暦では菊の花が咲く頃ですので「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲んで祝います。
5,彼岸の中日は「春分の日」「秋分の日」で、太陽が真東から昇り、真西に沈む日で、西と東が一直線になり、あの世(彼岸)と、この世(此岸)がつながりやすくなるからです。
つまりご先祖さまとの距離が一番短くなるので、お墓参りに出かけるわけです。
家族そろって、ご先祖様を偲び、感謝して、供養し、絆を深めることは大切にしたいものです。
※最近は墓参りをされる人も減少傾向にあり、供養の方法が変わってきましたね。
この点については後日改めて取り上げたいと思います。
6,神事をするときには、頭から尾まできれいに整って姿、形が良く、新鮮なものが、お供えするのにいいとされています。
※「おかしら」とは「尾頭」と表現します。
鯛は長寿で、鯛のピンク色が、縁起が良く、美味だからいいとされています。
また赤飯の小豆の赤と、米の白が、紅白で縁起がいいのと、なによりも小豆には邪気を払う力があるからです。
7,神道では食べ物は「神様から与えられた大変神聖なもの」とされています。
その神聖なものをいただくわけですから、食べる前に手を清めるわけです。
従って「お絞り」の本来の目的は清めるためということになります。
※「手盆」が無作法とされるゆえんは、手盆(手皿)は清める行為に背くことになるからです。
※尾頭付きの魚を食べる時には裏返さないとされていますが、神様にお供えした魚は「ありのままの姿」で食べないといけないからです。
8,「祭」の語源は「祀る」で、先祖を祀り、感謝したり、健康や五穀豊穣などをお祈りすることです。
日本では昔から季節の節目などに家内安全や方策などを祈り、感謝をささげるお祭りがおこなわれてきました。
だから「祭」は年中行事全般と捉えていいと思います。
8つの問題に挑戦していただきましたが、コレラの概念は今でも日本人の生活の中にしっかり根付いている者が多々あります。
なぜこうなるのかという、そこに込められた合理的理由を理解していただければ、先人の思いや、日本の文化のすばらしさが実感でき、豊かな生活を送ることができると思います。