マナーうんちく話2109《陰徳あれば陽報あり》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

受けた恩は岩に刻め。
貸した恩は水に流せ。

私たちはとかくこの言葉とは反対になってしまいがちですが、よく考えてみると、自分自身も人の世話になっていても、それに気づかない場合が多々あります。

「もてなし」は見返りを求めないのがポイントですが、それでも誠心誠意、心を込めたことに対し、お礼を言われなかったら寂しい気持ちになります。

そのときには、ぜひこの言葉を思い浮かべてみて下さいね。

ちなみに「陰徳あれば陽報あり」とは、人知れずよいことを行えば、後になって必ず良い報いを受けるという意味です。

「陰徳」とは善い行いを陰で行うことで、「陽報」とは良い報いのことです。
たとえ誰も見ていなくても善い行いを心がけたいものです。

近江商人の「三方良し」の精神に似ています。

地域を離れて遠いところで商いを行うには「信用」がとても大切です。

だから売り手良し、買い手良し、さらに社会全体が良くなるよう努力する必要があったのでしょう。

昔の商人は、自分の儲け以上に、社会に貢献することに重きを置いたのだとおもいます。
商いを誠実に行ったということです。

また質素倹約を心がけるが、必要なものには投資する。
つまりお金の使い方が上手だったのではないでしょうか。
見習いたいです。


売る側と買う側だけでなく、地域全体、つまり社会が良くなれば信用は自然についてきます。

最近、一部のエリートと呼ばれるような人が、私利私欲のために陰で悪行を行って問題となりましたが、見ていないからと言って悪いことをするのはいけませんね。

「悪因悪果(あくいんあっか)」という言葉があります。

悪い行いをすれば、後になって不幸が身に降りかかるという意味です。

以前マナーうんちく話で「情けは人のためにならず」という諺を取り上げましたが、人にやさしく接すれば、まわりまわって自分に必ず振り返ってきます。

しかし最近の研究では、他者に親切にすれば、まわりまわらなくても、親切にした瞬間に幸福度が高まるそうです。

人に対しても、動物に対しても、自然に対しても優しく接し、人生百歳時代を心豊かに過ごせたらいいですね。

周囲と良好な人間関係を築くことが豊かな人生を実現する。
私の持論です。

良好な人間関係を築くには「見返り」を求めないことだと思います。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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