マナーうんちく話509≪「女しぐさ」と「男しぐさ」≫
受けた恩は岩に刻め。
貸した恩は水に流せ。
私たちはとかくこの言葉とは反対になってしまいがちですが、よく考えてみると、自分自身も人の世話になっていても、それに気づかない場合が多々あります。
「もてなし」は見返りを求めないのがポイントですが、それでも誠心誠意、心を込めたことに対し、お礼を言われなかったら寂しい気持ちになります。
そのときには、ぜひこの言葉を思い浮かべてみて下さいね。
ちなみに「陰徳あれば陽報あり」とは、人知れずよいことを行えば、後になって必ず良い報いを受けるという意味です。
「陰徳」とは善い行いを陰で行うことで、「陽報」とは良い報いのことです。
たとえ誰も見ていなくても善い行いを心がけたいものです。
近江商人の「三方良し」の精神に似ています。
地域を離れて遠いところで商いを行うには「信用」がとても大切です。
だから売り手良し、買い手良し、さらに社会全体が良くなるよう努力する必要があったのでしょう。
昔の商人は、自分の儲け以上に、社会に貢献することに重きを置いたのだとおもいます。
商いを誠実に行ったということです。
また質素倹約を心がけるが、必要なものには投資する。
つまりお金の使い方が上手だったのではないでしょうか。
見習いたいです。
売る側と買う側だけでなく、地域全体、つまり社会が良くなれば信用は自然についてきます。
最近、一部のエリートと呼ばれるような人が、私利私欲のために陰で悪行を行って問題となりましたが、見ていないからと言って悪いことをするのはいけませんね。
「悪因悪果(あくいんあっか)」という言葉があります。
悪い行いをすれば、後になって不幸が身に降りかかるという意味です。
以前マナーうんちく話で「情けは人のためにならず」という諺を取り上げましたが、人にやさしく接すれば、まわりまわって自分に必ず振り返ってきます。
しかし最近の研究では、他者に親切にすれば、まわりまわらなくても、親切にした瞬間に幸福度が高まるそうです。
人に対しても、動物に対しても、自然に対しても優しく接し、人生百歳時代を心豊かに過ごせたらいいですね。
周囲と良好な人間関係を築くことが豊かな人生を実現する。
私の持論です。
良好な人間関係を築くには「見返り」を求めないことだと思います。