マナーうんちく話2011《年頭にあたり知っておきたい「慶事」におけるしきたりの意味と意義》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:祝い事のマナー

今年は特に新型コロナの影響もあって、家庭で正月をお祝いした人も多いのではないでしょうか。
いいことだと思います・・・。

ところで私たちは日常の生活において、様々な出来事に遭遇します。
辛いことや悲しいこともあれば、嬉しいことや愛でたいことも結構ありますね。

世界屈指の長い人生は、まさに喜怒哀楽、つまり喜び、怒り、悲しみ、楽しみの一大叙事詩と言えるのではないでしょうか。中でも喜びを意味する「喜」と、楽しい気持ちになる「楽」は多いほどいいですね。

また慶事ごとは特に冠婚葬祭の中でも厳粛に執り行われたようです。
そして、こうした慶事には御馳走がつきものですが、数々のしきたりや礼式が存在し、長い月日を経て現在に伝承されています。

では、このようなしきたりや儀式は国際化が急激に進展し、AI全盛になった現代社会にミスマッチでしょうか。

捉え方は10人10色で、虚礼廃止とか、古い因習にこだわるべきではないと思われる方もいるでしょう。

しかし私は、現代生活になじまないという理由で置き去りにしてしまうのは、あまりにも勿体ない豊かな精神文化や内容を含んでいると思います。

国際化の進展に伴い、世界に発信すべき、とても貴重な日本人ならではの素晴らしい文化だと捉えています。

今日本は世界屈指の長寿の国になりました。
経済的にも大変恵まれ、食生活もとても贅沢です。

四季があり、平和で、戦争に無縁の国でもあります。
総合的には世界屈指の恵まれた国でしょう。

しかし「幸福度」は、大人も子供も、お世辞にもいいとは言えないようです。
世界基準と日本人の捉え方が異なるといえばそれまでですが、家族間、地域間、職場や学校における協調が薄れ、人と人との交わりが希薄化したからでしょう。

その点先人は貧しくとも、常に自然や目に見えないものにも感謝の気持ちを持ち続け、良好な人間関係を築いていく努力を怠らなかったようです。

オンラインに集中するのもいいかもしれませんが、今こそ何百年も、あるいは1000年以上も続いてきたしきたりや風習の存在意義を再認識したいものです。さらに国際社会に積極的に発信するとともに、次世代に伝えたいものです。

そのためには知識を身につけることが大切です。

ちなみに「礼儀作法」とか「しきたり」と聞けば、大変堅苦しく思われるかもしれませんが、思いやりの気持ちを表現したものが礼儀作法であり、長い人生を心豊かに生きていく生活の知恵がしきたりと考えて頂ければいいと思います。

私たちの先祖や神様・仏様に、様々な願い事をするために祈り、あるいは感謝の気持ちを行動や行事として伝え続けてきたものがしきたりです。

長い歴史を有する日本には多くの年間行事がありますが、その多くは健康や幸せを祈念し、感謝するもので、忘れ去ることのできない「日本人の心」です。

今回は年頭に当たり、日本人として生まれてきたことに感謝できるよう、長い伝統と豊かな精神文化を有す「祝い膳」と「祝箸」に触れてみます。

由来や意味を感じながら、豊かな生活を築いていただければ嬉しい限りです。

次回に続きます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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